＿125（D.O） ページ25
部屋を出た瞬間、
Aは顔を両手で覆って泣いた。
その華奢な身体を抱きしめた。
「A・・・。」
「ギョン・ス・・ごめんなさい。」
「なに、謝るんだよ。」
「だって、、嫌なこと言ってた。」
「それくらい、予想できたよ。」
「でも、ギョンスのこと否定するなんて・・
本当に・・ごめなさん。」
肩にAの頭を抱きしめて、優しく撫でる。
シャツにぽつりぽつりと涙が落ちているのが分かる。
「学校でいじめられた時・・・言われたの。
お前が弱いからだって。ちゃんと言い返せって。」
「・・・・うん。」
「でも、そんなことできるのなら・・
そうやって悩んだりなんかしなかった。」
「・・・・うん。」
「心配性なお母さんには言えないから、
だから勇気をだしてお父さんに相談したのに・・。」
「・・・・そうか。」
「私を全部否定されたみたいだった。
頑張ってるのに、それもダメだって・・・。」
「Aは頑張ってるよ。」
その頑張りと努力は知ってる。
だからキムさんにも認められてる。
一歩一歩進んでいっているのを知っている。
Aが話せなかった日本語がこんなに上手いのも、
中国語もヒョン達に教えてもらって上達しているのも。
弾けなかったギターもプロ級になってるのも。
人と関りを持つのが怖かったのに、
自ら話しかけにいく人が増えたことも。
「だから、、もういいの。」
「・・・・A。」
「もう、否定されたくない。」
これでいいなんて思わない。
いいわけなんてない。
でも、Aに負担をかけるわけにはいかなかった。
支えていないとフラフラになってる。
そんな状態まで追い込まれてたんだ。
ルハニヒョン。
やっぱり俺は甘かったのかもしれません。
でも、この手を離したくない。
「とりあえず、ホテル戻ろう？」
「・・・・・うん。」
キャップをかぶって眼鏡をかける。
Aも眼鏡をしてる。
ちょっと前にチャニョルがくれた眼鏡。
あいつにしてはセンスのいいもので、
Aとお揃いでくれたから致し方なく愛用してる。
ヨンミニヒョンに電話をかけるとすぐに迎えに来てくれた。
ヒョンには今日のこと話してあった。
Aの両親に会うことも。
報告をしたいってことも。
でもヒョンは俺たちの暗い顔をみて状況が分かったのか、
なにも言わずにホテルまで戻ってくれた。
流れる車窓の光が眩しかった。
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作者名：V.V． | 作成日時：2018年3月23日 23時
