検索窓
今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:29,183 hit

79 ページ29

.

なんで、なんでここにいるのだろう。


私の手を掴んで離さない。

そのまま走って事務所に入り
いまも急ぎ足で前を引いていく。

後ろから聞こえるマネージャーさんの声。
すれ違う人の驚いた表情と声。


そのすべてが嫌で。
記憶が蘇ってきて。

吐き気がした。




ルハンさんが空けたドアの向こうには
こちらを見て驚いている11人がいて。

セフンさんの口が「ヌナ」と動いたのが見えた。

けどルハンさんはそのまま手を引いて
一番奥、ドアから遠いところに私を連れて行く。




LH【ここでみてて。お願いだから】

【…なんで…?】

LH【お願い。】




そう言って離れていく。
それにさっきの吐き気ももどってきて
フラフラとしゃがみ込んだ。

なんでわざわざ中国語で言うの?

彼らに聞かれたくないから?

でもどうして私が?







そのまま私を無視して始まった練習。
どうやらフォーメーションの確認をしている。

ちらちらとこちらを気にしている。
その視線が嫌で視線を下に落とす。



目の前の姿が記憶を混じる。



あのとき5人が練習するのを
こうやってよく眺めていた。

歌を歌うのは嫌いではないが
ダンスだけはセンスのかけらもないと
ユチョンとジュンスに笑われて、
ユノにもフォローできないと言われて
それにチャンミンとジェジュンが笑って。

そんな記憶が蘇る。






その幻想から抜け出せたのは
突然の訪問者のおかげで。


「おい、A。俺様に挨拶なしとは偉くなったな。」


その人物の登場にEXOの12人は動きを止めて。
音楽もすぐに止まる。


「ヒチョルオッパ…?」

HC「そうだオッパだぞ。」

「…オッパ…」

HC「お前顔色悪いな。」


こっち来いと言われるがままに
のろのと立ち上がる。

その動きが遅いのにイラついたのか
ヒチョルオッパはこっちに来て私を抱きしめた。


HC「なんで連絡しなかった?」

「…それは、誰にも…」

HC「それで納得するかよ。ジョンスなんて泣いてたぞ。」

「…ごめんなさい…。」

HC「わかってるなら皆に顔見せろよ?
マンネがお前に会ったとか言うから
あいつら騒いで大変だったんだからな。」


そういって昔のように頭をポンと叩かれる。
この人の遠回しの優しさだ。
慰めてくれている。


HC「お前ら、こいつちょっと借りるな。」


そういってヒチョルオッパは私の手を引いていく。

先輩に何も言えないでいる12人の中に
「行かないで」とでも目で訴えているルハンさんがいた。

80→←78



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
47人がお気に入り
設定タグ:VIXX , K-POP , KEN   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:V.V. | 作成日時:2016年9月22日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。