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私の気持ちなんて知らないで走る車。

隣で私の手を掴んでる人。
EXO-Mのルハンさん。


無音になった車内に外を見る。
真っ暗な中にぽつぽつの光るあかり。

その分だけ人がそこにいる。

たしか前に誰かに言われた言葉。



ふと伝わる振動に掴まれていないほうの手で
携帯を操作するとそこには「ジェファン」の文字。


KN«ヌナァ〜もう着いてる?»

KN«飛行機遅れてる?»

KN«いま新しいの練習中»

«画像»
«画像»

KN«もう韓国着いた?»


最新の着信の前に送ってくれていた
メッセージと画像に目を通す。


«返事遅くてごめんね»

«もう韓国についてるよ»

«練習頑張ってね»



そう返信をしていると感じる視線。
横をみるとルハンさんがこっちを見てる。


「何ですか?」

LH「いや、誰と連絡してるのかなって。」

「言わないとだめですか?」

LH「ダメじゃないけど、笑ってるから…」



どうやら携帯を見て笑っていたらしい。
ジェファンとのやり取りを思い返す。


「…大切な人、ですよ。」


そう私の気持ちを前に向かせてくれた人。
優しくて暖かい気持ちにさせてくれる人。


LH「…彼氏?」

「違います。」

LH「でも大切な人でしょ?」

「大切でも、そうゆう人じゃないの。
もっと違うけど、大きな存在なの。」



私の言葉に不思議そうな顔をしている。

彼は、彼らは言葉に表せない。
とても大切で暖かくて、家族みたいな存在。


LH「るぅにとってのメンバーとかと一緒かな。」

「そうですね、近い存在かも。」



そう言いながら視線を外に戻す。
ルハンさんの小さな呟きは中国語だった。
聞き取れたけど、返事はできなかった。

【バラバラになっても家族かな】


それはどういう意味なのか分からない。
私が聞くことでもない事。

ただ掴まれている手に力が入ってる。
だからそっと握り返してみた。

それだけ。


いつの間には車は見慣れたところを走っている。
3年ではそこまで景色は変わっていない。

相変わらず大きな事務所。
看板も大きくて変わっていない。

あのころは毎日のようにここにいて。
時間に追われながらも必死に仕事をして。
彼らに負けないように努力をして。

失ってしまった場所、だ。



裏口に止まった車に降りようとすると、
掴まれている手が動かない。

「…ルハンさん?」


話しかけるけど無言で。
繋がれている手を見つめている。


次の瞬間また彼は私の腕を掴んで走った

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作品ジャンル:タレント
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作者名:V.V. | 作成日時:2016年9月22日 22時

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