山田先輩と私 〜第三章〜

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「あ、、ごめん、泣くつもりなんてないのに」

『うん。泣かせるつもりなかったけど、泣かせたのは俺。俺が悪い、ごめん。』







裕貴くんは、真剣な顔で謝ってくれた
なんにも悪くないのに

テーブルの上にあったティッシュを一枚取って、
私の目元を優しく押さえた






『ごめんね、、、お化粧、してくれたのにね』

「違う、裕貴くん悪くない、勝手に、、」

『勝手に？』

「悪い想像しちゃって」

『なに？』

「いつか、いなくなるのかなあって」

『俺が？』

「うん」

『どういうこと？Aの前からってこと？』

「うん、、」





驚くほどスラスラ本音を言ってしまった
自分が一番驚いてる





『うーん、、、』




裕貴くんは、少し下を向いて何か考えてるようだった
なんだか、、怖くなった




「ごめん、忘れて。めんどくさいよね」

『めんどくさくないよ。思ってることは、そういうふうになんでも言ってよ。』

「うん、、」

『あのね、人と人だから、ましてや男女だからさ。何があるかなんて、正直わかんないけどさ』

「うん。」

『今の俺は、この先の人生、Aと一緒に歳とっていきたいなあ、なんて思ってる』

「え、、、」

『あ、重い？うざい？』






そう言うといたずらっぽく笑った
私を元気づけるために言ってくれたんだとは思うけど
それでも、、嬉しかった






「重くない、うざくない」

『言ったな？』

「言った。」

『はーい。Aも同じ気持ちと捉えまーす。』

「ふふ笑」

『皆さーん！山田裕貴、生涯の伴侶を得ましたーー！！』

「なに言ってるの、てか声でか！笑」

『はい。舞台もやってましたから。』

「そういうこと？笑」

『そういうこと。』






そう言ってにっこり笑うと、
私の手を握って、もう片方の手で撫でてくれた






『あ、片付けしとくね？座ってて』





残っていたビールを飲み干して、
キッチンへ向かう裕貴くん

腕まくりをして洗い物を始める
もう見慣れた光景になったけど、

何気ない仕草と言葉が全部好き。

ぼーーーっと見とれていると






『なにー。そんなにイケメン？俺』

「うん。」






秒で返してしまった

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