山田先輩と私 〜第三章〜

62 ページ16

目の前の裕貴くんに思考が停止してしまう
え、え、大丈夫なの！！？






「く、来るなら言ってよ！」

『だめって言うじゃん。』

「そりゃそうだよ！」

『大丈夫、今日は亮とデートだから。ね？』






吉沢さんは裕貴くんをジト目した






「それは独り身の俺へのあてつけか？」

『すみません。ほんとすみません。』

「いーけどさー。で、俺は帰るの？これ」

『いやいやいてよ！亮と飲みに来たんだから俺！』

「はー。惨めーーー。」

『どの顔が言うんだよ』






2人、仲良しなんだなあ、、
それにしても目の前には山田裕貴と吉沢亮
眼球が溶けそうである、、、。






『待って、亮のこと見すぎじゃない？』

「み、見てないよ！」

『見てたよ！なに見とれてんの！いや仕方ないけどさ！？』

「見とれてないってば！！」


「あーーー。帰りてーーーー。」





すごく楽しい時間が流れた
吉沢さんは意外とたくさん話す人で、
裕貴くんへの何気ない一言がいちいち面白かった


30分くらいした頃、一人のお客さんが来た






「あ、、、裕貴くんごめん、ちょっと外すね」

『ん？』






私のカクテルしか飲まないお客さん。
よりによって今来るなんて、、！

裕貴くん、接客見たら絶対嫉妬する。
どうしよう、どう説明すれば、、、

カウンターを出て裕貴くんの隣に行って、
こそっと耳打ちする







「あのね、裕貴くん。あのお客さん、ちょっっっとだけ距離近いんだけど、危害は加えられないから大丈夫だから。だから心配しないでね、わかった？」

『え？あ、うん。』

「うん。」






理解できてなさそうな裕貴くん
自分のお客さんを待たせるわけにもいかなくて、
私はオーダーを取りに行った






「いらっしゃいませ。また来てくれたんですね。」

「うん。いて良かったー。」

「ありがとうございます、佐藤さん」






佐藤さんは、ほんとに一般人？てくらいイケメンでかっこいい。
でもなんか、、苦手なんだよなあ、、






「あ。ネイル替えたの？」





佐藤さんは、言いながら私の左手をすっと取ってきた





「あ、そうなんですよー。下手ですけど」

「自分でやったの？すごいね」

「えーすごくないですよ！はははっ」





さり気無く手を離した





裕貴くん、
見てませんように見てませんように見てませんように、、、！！！！！！

63…裕貴→←61

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す