誰かの山田さん (ページ2)

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「おはようございまーす…。」

都内のスタジオ

きょうは私服企画で30着、、、

いや、30着て。どんだけなのよ。

私はモデルをしている
まあ、若い子にはきっと知名度もあるけど
グラビア上がりだからまだ男の子のファンが多くて

たまに露出の高い撮影もしてる

私をフッた元彼は、
グラビアの後輩の女の子と浮気をしていた

やっとファッション雑誌に出れるようになって
テレビの仕事もぼちぼち入ってきて
これから！って時なのに

こんなに
惨めな気持ちで仕事をするなんて

「あれー？なんか目腫れてない？」

仲良しのメイクさんにあっさり見透かされる

「すみません、、、ご迷惑かけます、、、」

「いや、いいけどさ。男？」

「うう、、、」

「あはは笑大丈夫だよー、Aちゃんはこれから売れるんだから！」

「そうですかね、、？」

「大丈夫大丈夫！今日の企画の相手役もすごいじゃん？」

「企画、、、？」

企画？相手役、、、？
私服企画のこと？？？

「え、私服企画ですよね？」

「は？何言ってるの、今日カップル企画よ？」

「え、、、え！！！？」

それって来週の撮影じゃ、、、
勘違い！！！？

「、、、30着」

「あ。撮影終わりに旅行でも行くのかと思ったわ。」

「え、っと、相手役って」

「そろそろ、、あ、来た」

『おはようございまーす！よろしくお願いします！』

「かっこいいよねー。山田裕貴！」

スタジオに入ってきた彼の、
大きな瞳を見てハッとした

昨日の恩人は、

彼だ