人気者とわたし

9　…裕貴 ページ9

裕貴side



「いらっしゃいませーーー」



校舎近くのコンビニ。
ここでバイトを始めて一ヶ月になる。





『はあーーーーーーーーー。。。』



「なに裕貴、マスクちゃんとなんかあった？」



『そのマスクちゃんてやめろ。』



同じ学部の匠海。こいつは特に仲が良くて、
ここのバイトも一緒に受けたら、
2人とも採用された



落ちたほうが焼肉おごりな！
なんて言ってたのに



『、、、告白みたいなことしちゃったんだわ』



「は！？勇み足すぎね！！？」



夕方のこの時間はお客さんが少なくて、
匠海と話しながら時給が発生するのが申し訳ない
手は動かしてますよ、うん。



『いや、気になってるって言っただけ』



「んだよそれ、告白じゃねーか」



『やっぱそおーーーーー？はーーーやっちまったな』



「向こうはなんて？」



『あーーー、、なんか、山田くんみたいなキラキラした人が私なんて、的なこと、、？言ってたわ』




タバコを補充しながら答える俺



いや、このセリフ自分で言いたくねーわ。




「まあ、そうなるわな」



『は？』



「だってマスクちゃんだよ？顔もわかんねーしさ、暗いし、なんかしゃべってるとこすら見たことなくね？」



『しゃべってるじゃん。吉沢スーパーイケメンと。』



「聞こえねーだろ」



『わかるんだよ。なんかさ、、顔とかじゃなくて。リュック置く仕草とか、遠くを見る目とかさ、、、なんかさ、全部がきれいなんだよな。』



「おい、ビッグラブじゃねーかよ」



匠海は呆れ顔だ


こいつはモテるくせに
女の子にさほど興味がないらしい。



『なーーー俺どうすればいいの？連絡先すら聞けてねぇ』



「聞けよ」



『断られたんだよ』



「キラキラ山田くんなのに？」



『煽ってんだろ』



「特大うちわだな」



『うるせー』



ほら、こんなキャラなんだよ俺は、、
Aちゃんが思ってるようなもんじゃない。

こんなことなら
ずっと読書でもしておくんだったな、、。




「つかさ、マスクちゃん、吉沢スーパーイケメンと付き合ってんだろ絶対。」



『、、、それ言う？』



「いや、もはやそれしか言わねーだろ」



『だよねーーーー、、、』



それは気になってた。
絶対付き合ってるよな、って
俺も思ってた。


常に一緒にいるし、
吉沢スーパーイケメンのAちゃんを見る目が
なんか、めちゃくちゃあったかいんだよな。


でもなんか違和感がある

恋人、、、って感じがなんか、しない。

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