人気者とわたし

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Aside



山田くんと長電話した。
男の子と長電話なんて、、
亮以外で初めてだ

相談事にも真剣に答えてくれて、
“山田くんの声聞いてたい”
とかわけわかんないこと言っても
お世辞でも、“俺もAちゃんの声聞いてたい”
なんて返してくれて
どこまでも優しい人なんだと思った

あのあと好きなテレビや動画の話、
お互いの好きなお笑い芸人の話とか
本当に楽しくて、時間がたつのが早くて

こんな風に思える男の子
はじめてだ、、、


もしかしたら私、
山田くんのこと、好きになってしまったのかもしれない
いや、、もうそんなの、好きじゃん、、

私に好きな人が出来るなんて一生ないと思ってた
どうしていいのかわからない
亮に、なんて言う？

今までありがとう、彼氏のフリはもう大丈夫、って？
亮は、喜んでくれる？

でも、、これで彼女も作れるし
私から開放されるんだよね

きっと、喜んでくれる――――――



わたしは、
亮のアパートへ向かった


時刻は深夜12時半
今日は1時までのシフトだったはず

亮は、徒歩3分そこらのアパートに住んでるから
こんな時間だけど大丈夫だよね、、うん。
一応、亮がくれた防犯ブザー持っていこう



アパートの前についた
あと少しかな、、

しばらく待っていると、
ガラの悪そうな二人組が反対側の道を歩いてた
見ないようにしよ、、


『あれー？そこの女の子、ひとりー？』


、、しまった。目が合ってしまった。


『ねーねーなにしてんの？待ち合わせ？』

二人がこっちへ歩いてくる
やめて、来ないで、、、。

動けないでいると、
あっという間に腕をつかまれてるのに気づく

『かわいー顔してそーだね、マスクどうしたの？風邪でもひいてんの？』

「や、、」

声がでない

『大人しそうじゃね？いけんじゃね？』

もうひとりがタバコをふかしながら言った


な、に、、なに？


『おねーちゃんさー、ちょっとドライブしよ？』


強引に腕を引っ張られる


少し先に白いバンが停まってた


―――――――やばい



「はな、はなして、」

『かわいーねー？大丈夫、すーぐ終わるから』

「い、、」

声がでない、でない、、！



『おい、なにしてんだお前ら』


低い声が聞こえて、誰かが男の手を掴んで、
私は開放された



目の前に、亮がいた


「亮っ、、」


亮は、男を睨むと

『あの車のナンバー控えたぞ？お前ら、この子に何しようとした？』

「、、っ うるせーな！！何もしてねーよ！！」

男は逃げていった

22　…亮→←作者より。

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