ノスタルジック・ナイト -Ken.M- (ページ4)

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7月にもなるとだいぶ蒸し暑くなってくる。

昨日は部活があったから塾には行かず。

そして今日、僕は、またあの美少女ーーーAAさんに会えるかもしれないというほんの少しの期待を込めて、自習室へ。

「あ、いる」

彼女は左奥の端の席で机に向かって勉強していた。

話しかけるのも悪いから、少し距離を取りつつも、遠すぎない位置に座る。

しばらくすると、彼女が僕に気付いた。

「あれ、三宅くん、だっけ？」

僕は、彼女がいるのに気付いていなかったフリをする。

「あ、こんにちは。来てたんですね」

「三宅くん、本当によくここに来るのね」

「あ、はい」

…あなたに会えるからなんですけどね。

「せっかくだし、休憩がてらちょっと話さない？」

そう誘われて、塾の休憩スペースに。

初めは緊張したものの意外と話が弾み、30分近く話していた。

勉強のことなんか忘れるほどに。

「…そろそろ戻ろうか？」

「はい」

この時間がずっと続けばいいのにな。