MY BFF (ページ9)

今日:22 hit、昨日:32 hit、合計:55,567 hit

〇ページ9

･

｢なぁに！2人共！！硬すぎよ！！！｣

｢ヤ～！初対面ですよ？！緊張しますって！｣

バシバシと背中を叩かれ突っ込まれれば思わず此方も引っ張られて笑ってしまうし、テンションも高く返してしまった。

静かな雰囲気を纏って居た彼に引かれては居ないだろうかとチラリと視線を寄越して様子を伺うと、彼は口元を隠しながらこっそりと微笑んで居た。初めて｢花が綻ぶ様な笑顔｣と言う言葉を理解したし、それは彼の為の言葉だと思う位美しい笑顔だった。

｢Hey、 I speak English too.(ねぇ、俺英語も話せるよ)｣

｢ …I'm surprised. That's a very beautiful pronunciation(驚いた。凄く綺麗な発音だね).｣

思い切って英語で話し掛けて見ればぱっと笑顔になった、あの瞬間のAの満面の笑みはきっとこれからもずっと忘れないと思う。

話して見れば彼は至って普通の男子高校生で偶に悪戯を仕掛けて来たり、態と冷たくしてみたり、服の袖を少しだけ引っ張って甘えて来る様な可愛い子だった。

最初は俺が一方的に近付いて行って話し掛けたり、月末評価のグループに誘ったりして居ただけだったけれど少しずつAからも歩み寄ってくれた。

韓国語のテキストを持って来て教えて欲しいと頼まれたり、家の近くに見付けたカフェの話をしてくれたり。

何より嬉しかったのは｢バンチャン氏｣とか言うアナウンサーみたいに硬い呼び方から｢チャニヒョン｣と呼んでくれる様になった事だ。

俺の肩に頭を預けてリハーサルの映像をチェックして居るAを見ながら何となく感傷に浸って居れば、少し不思議そうな表情のAが此方を見上げてくる。

｢チャニヒョン、なんで急にボーッとしてるのさ。｣

｢別に？身長伸びたなって思ってただけ｣

｢喧嘩売ってる？！｣

｢まさかぁ！！ ㅋㅋㅋ｣

お前が大勢の人の前でパフォーマンスしたり、韓国語を堂々と話せる様になってもこれからもずっとお前は俺の귀여운 동생(可愛い弟)だよ。

そんな事を言うのは流石に小恥ずかしいからまだセットされて居ない髪の毛をわしゃわしゃと掻き混ぜる程度に留めて置いた。