MY BFF (ページ32)

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Side . LK

メンバー全員の集まる宿舎には少し重い空気が流れて居て、それぞれの持つスマートフォンには大体同じ様な記事やその記事に関する投稿なんかが表示されて居る。

誰も口を開かないけれど皆少し険しい顔をして居る事からお互いの気持ちは伝わって居た。

｢相談して欲しかったよ、俺は。｣

チャンビンがぽそりと零したその言葉に俺も一瞬ドキリと心臓が跳ねた。

今韓国のインターネットはStrayKidsのポムがMUSIC BANKの代理MCを務めると言う一大スクープで大層盛り上がって居る。

普段で有れば単純におめでとうと頭を撫でて祝ってやって、お前にちゃんと出来るのか？なんて弄って、それから焼肉屋に連れてってやるのに今回はそうも行かないと言うのが何とも悲しい現実だ。

｢だって、Aばっかり、こんな … ｣

チラリと見えたチャンビンのスマートフォンはTwitterの画面を表示して居て、アイツが何を考えて居るのかなんて直ぐに分かった。

SNSは匿名だからこそ、顔も知らない人に好き勝手な事を言われる。それに救われる事も沢山あるけど、傷付けられる事も沢山ある。

今回は後者だ。

｢取り敢えず、今は俺達もSNSを控えた方が良いよ｣

｢もう見ちゃいましたよ。｣

チャニヒョンの言葉に被せて、不貞腐れた様な声を出したのはヒョンジナだった。

｢事務所のコネ、分不相応、今週のミューバンは見たくない、パフォーマンスがイマイチ｣

｢ヒョンジナ｣

｢見てるだけで気持ち悪くなってくる様な言葉をどうしてAがこんなに浴びせられなきゃいけないんですか！｣

普段は余り怒らないチャニヒョンの少し低い声に、半ばヤケになって居るで有ろうヒョンジナの心からの声が溢れ出す。

チャニヒョンに言ったって仕方が無い事なんてヒョンジンもちゃんと分かって居ると思う、けれど俺はヒョンジンがヤケになる気持ちもよく分かる。

少し気まずそうな顔をしたヒョンジナがガタンを音を立てながら立ち上がって足早に玄関に向かう。

｢ヒョンジナ、｣

｢別に、事務所の練習室に行くだけです。｣

ガチャンと扉を閉める音がすれば宿舎のリビングの空気は更に重く、冷たく成る。

眉間のシワを増やしたチャニヒョンとヒョンジナの出て行った玄関を交互に見てオロオロとして居る年下組に、このままではいけないと心の中で気合いを入れ直す。