〇 すれ違い ページ31
・
「A、大丈夫か?」
「へへ、大丈夫ですよマネヒョン。」
先程、MUSIC BANKの公式から俺が代理のMCを務める事が発表された。
16日の報道の直後、マネヒョンから 「俺に代理MCとしての出演の打診が有った」 と話を聞いた時は驚くと同時に納得もした。
大御所の俳優さんや有名なアイドルを代理MCとして起用すればその人のファンダムの反応によってはアーティスト側もMUSIC BANK側も損害を被ってしまう、けれど新人のまだ知名度の低い俺みたいなアイドルはまだファンダムの数も少ないし事務所からのフォローも手厚いから消去法でそうなったのだろう。
事務所側としては受けて欲しいけれど無理はさせたくないので自分でしっかりと考えて欲しい、との事だったけれどマネヒョンは反対して居た。
俺が 「やる」 と宣言してほぼゴリ押しで決定した。
確かに色々な声が聞こえて来るだろうけれど俺は俺の仕事を全うしてあわよくばMUSIC BANKを見ている人全員を俺のファンにする、それまでで有る。
「MCの仕事が終わるまでスマホ見ないって決めてるんです、今は進行ミスらないようにってするので精一杯ですから。」
「事務所側も俺も出来る限りのサポートはするから、AはそのままMCの事だけ考えてな。」
マネヒョンの有難い言葉に一度お辞儀をしてから明日のMUSIC BANKの台本を持って事務所の会議室を退室する。
正直言うと今は不安と楽しみが半々位で何だか気持ちが落ち着かないし、上手く行けばグループに取ってのプラスに成るけれど失敗すればグループのマイナスに成るかもしれないと言う底知れない心配も有る。
何となく練習室に足を運んでスマホとスピーカーを繋いで、好きなダンスでも踊れば気が晴れるだろうと色んな先輩達の曲を流す。
踊ると改めて、自分が凄い事務所を介してデビューしたと言う事実を実感して胃が重くなる。
「つかれた … 」
六曲程度ぶっ通しで踊れば流石に息が上がって来て、大の字になって練習室の床に寝転がる。
体温の上がった身体にフローリングの冷たい温度が伝わって来て凄く気持ちいい、けれど頭上に輝く照明が余りにも眩しくて目がしばしばして来る。
ゴロリと転がってうつ伏せに成れば次第に眠気が襲う。
昨日は夜通し自分の考えをまとめて居たから余りゆっくり眠れて居なかった。そのせいも有るのかもしれない。
ここで眠っちゃいけないよな、とは思いつつも眠気にはどうしても抗えずふっと意識を手放した。
315人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「StrayKids」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜々(プロフ) - 更新楽しみにしています。続きが気になります🥹 (1月28日 8時) (レス) @page33 id: 6590863194 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:眠兎 | 作成日時:2021年3月20日 16時