結婚を前提に、まずは離婚してください。【呪術廻戦】

19-ハッピーエンドにはまだ早い ページ19

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女の子の警戒心が解けたところで、悟さんは女の子をヒョイッと抱き上げた。女の子は「わあ！たかーい！」と頬を紅潮させて喜んでいる。





「おにーさんすごいね！！」

「でしょー？僕って高身長イケメンだから。ついでに高収入」

「こうしんちょーイケメンでこうしゅーにゅー！よく分かんないけどすごい！」

「そうでしょう。中々いないからね、こんな優良物件」





悟さんはふふんと鼻を高くする。

女の子は「ゆーりょーぶっけん！」とあまり教育によろしくない言葉を呟いている。少なくとも、まだ小学校にもいってないくらいの年齢の子供が言っていい言葉じゃない。





「悟さん、そろそろ行きますよ」

「うん」





悟さんは女の子を抱っこしたまま歩き出す。
悟さん達は楽しそうに会話を続けている。
それを横目に、本当の親子みたいだなと思う。

勝手な偏見だけど、悟さんってあんまり子供好きじゃなさそうって思ってたから、意外というか。明るく優しく、でも飾らない様子で子供と話している悟さんは素敵だと思った。


微笑ましい2人を眺めていると、不意に女の子からの視線を感じた。にこっと笑ってみせると、女の子は暫く私を見つめてから言った。





「おにーさんとおねーさんは好き同士なの？」

「え」

「違うよ」





「即答しすぎ…」と悟さんが落ち込んでいる声が聞こえたが、よく意味が分からないのでスルーした。





「ちがうの？」

「うん」

「でもおねーさん、ママと同じ目してた」

「同じ目？」

「ママがパパ大好きだなーって思ってる時の目。おねーさんがおにーさん見てる時、その目だった」





言葉が見つからなかった。否定できなかった。

これまで散々逃げてきた現実を突きつけられた。



図星だった。

悟さんがお店に来てくれた時、
試作品のケーキを食べてアドバイスをくれた時、
映画に誘ってくれた時、
子供と楽しそうに話しているのを見た時、

他にも数えきれないくらい何度も、

____好きだなあ、と思っていた。





「いやいや、このお姉さんには他に好きな人がいるんだよ。ねー、A。……A？」





今度は悟さんと目が合う。

自覚したらもうダメだった。

顔が熱い。





「す、みませんっ！お手洗い行ってくるんで後は頼みます！」





燃え上がるような熱に耐えられなくて、その場から逃げ出した。







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「ま、マジ……？」

「おにーさん顔真っ赤！」






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