結婚を前提に、まずは離婚してください。【呪術廻戦】

13-運命を信じたくもなる ページ13

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五条悟


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「マジかよ……」





今日は月曜日だけど祝日で、学校の授業もなかったのでケーキ屋に来てみたのだが。店の扉には『定休日』という張り紙が貼ってあった。

中に入れず、がっくりと項垂れる。

確かに月曜日に訪れてみたのは今日が初めてだったけど、まさか定休日だったなんて。


Aに会えない月曜日なんて滅べばいい。
最強の僕なら曜日を一つなくすことだってきっとできる。よし、やってみるか。

そんな厨二病的な思考に陥っていると、「悟さん？」と天使の声が聞こえて振り向いた。





「お店に何か御用でしたか？」





不思議そうに首を傾げるAを視界に入れた瞬間、どん底だったテンションが怒涛の勢いで回復していく。





「A♡」





情けないくらい頬が緩む。

嬉しすぎるから語尾にハートマークがつくのも仕方ない、うん。ていうか定休日に会えるってどういうこと？もはや運命じゃない？


荒ぶるテンションと心臓の鼓動を鎮め、努めて平静を装って会話を続ける。





「ケーキ食べにきたんだけど、月曜日って定休日だったんだね。知らなかった」

「あ、そうなんですよー！月曜日だけは店主にも完全にお休みしてもらってて」

「Aは定休日なのにどうしてお店に来たの？」





ふと疑問に思ったことを口にすれば、Aは笑って手に持っているビニール袋を掲げた。





「せっかくのお休みなのでケーキ作りを練習しようと思って、お店のキッチンを借りに来たんです」

「えっ。休みなのにケーキ作るの？」

「はい！私、ケーキ作ってる時が1番楽しいんで！」





…
真っ直ぐで、眩しい子だと思った。
自分の仕事が楽しいと、清々しい笑顔で答える姿が。

彼女の側にいると、こっちの気分まで晴れ渡っていく気がする。それは、惚れたせいもあるかもしれないけど。


Aの笑顔にぽーっと見惚れていると、Aが「そうだ！」と手を叩く。何か閃いたようだ。





「悟さんさえ良ければ、私が作るケーキ試食して行って頂けませんか？」

「え」

「折角来てくださったのに定休日で申し訳なかったので……。あ、でもそっか、この後ご予定とか」

「っない！予定なんかない、よ。だから、」





__もっと、君と一緒に居たいんだ。

なんて、本音は勿論まだ言えない。





「試食、させてほしい」





必死にそう伝えれば、Aはふわりと微笑んだ。






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