57-本心を飲み込んだ ページ10
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どんなに時が止まって欲しいと願っても、世界は変わらず回る。夜が終われば、朝がくる。そんな当然の現象さえ今は恨めしく思える。
家で目を覚ます平和な朝。
でも平和な日々ではない。
寝巻きから動きやすい格好に着替えてセナを探す。
側から見たら一国の王女だなんて思われない服。
私には煌びやかなドレスなんて似合わないし、こっちの方が性に合っている。
一階に降りるとセナは床の掃除をしていた。
「セナ」
「あ、おはようございます。A様」
「おはよう。海軍から何か連絡来てる？」
「今朝連絡があって、明日にはこの島に着くらしいです」
「……そっか、わかった」
わかりやすく表情が曇ってしまったと、セナが心配そうな目で見つめてきたから気がついた。ダメだ、私がこんな顔してちゃいけない。皆が迷ってしまう。
それでも何を言えばいいか言葉が見つからなくて、気まずい沈黙が続く。
そっと視線を逸らして近くを通った使用人に「何するとこ？私がやっとくよ」とわざと明るいトーンで話しかける。その使用人は質素な料理を運んでいるところだった。
「あ、これは海賊に届けるところで……」
「海賊って」
「トラファルガーです」
地雷を踏んだ。
よりによって一番会いたくない彼。
でも私がやっとくって言っちゃったし、セナの手前、私はなんともないフリをしなければいけない。
「私が届けるよ」と彼女からトレイを受け取り(奪い)、もはやどうにでもなれという投げやりな気持ちで例の部屋へ向かった。
そして部屋に入り、檻の前に来て絶句した。
「……なんで爆睡してんの」
よくもまあ、手足を拘束された状態ですやすやと眠っていられるものだ。トラファルガーさんのメンタルの強さが異常なのか、海賊は皆こうなのか。
呆れを通り越して感心している。
無理に起こそうという気にもならなかったので、トレイを横に置き、檻を背もたれにして座り込む。
頭では分かっている。
国民とトラファルガーさんを天秤にかけたら、迷うまでもなく国民に傾くはず。
分かっては、いる。
けど。
その先の言葉を文にしてしまったら、私の覚悟はきっと崩れてしまう。
あの潜水艦の上で彼らと笑い合ったすべてが、嘘なわけではなかった。
「……もっと完全な悪者だったらよかったのに」
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
