55-少女Aは悪役 ページ8
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「まあ、来るとは思ってたけどね」
3階にある自室の窓から外を見下ろす。
そこには見慣れた白いつなぎを着た2人組。誰に聞いたのか、トラファルガーさんがここにいるという情報を掴んでやってきたらしい。どう侵入するかは迷っているみたいだけど。
夜にあんな目立つ格好をしていたら誰かに見つかってしまうのも時間の問題だ。仕方ない。ここは騒ぎになる前に帰そう。
寝巻きにカーディガンを羽織り、使用人たちに見つからないようにこっそりと家を抜け出す。
未だに作戦会議中の2人に後ろから声を掛ける。
「シャチさん、ペンギンさん、一体どうしたんですか？」
2人はビクッと大袈裟なほど肩を揺らし、ロボットのようにぎこちなく振り返った。その動きがシンクロしていておかしくて、こんな状況なのに笑ってしまった。
「私の家に何か用ですか？」
「……キャプテンはどうしたんだ」
「トラファルガーさん……？」
ペンギンさんの暖かさの欠片も無い鋭い視線が突き刺さる。船の上にいた時はこんなにわかりやすく敵意を表してきたことなんてなかったのに。あの陽気なシャチさんさえ固唾を飲んで様子を見守っている。
ああ、彼らは疑っているんだ、私を。
それならば、取るべき行動はただ1つ。
「トラファルガーさんとは、とっくに別れましたけど……」
「！？」
「てっきりもう船に戻ったのかと」
とにかくしらばっくれる。
酷いよね、でもトラファルガーさんを逃すわけにはいかない。あの人には国のすべてが掛かっているの。
もちろん2人がこの返事に納得するとは思っていない。大事なのは何も知らないと言い張ること。
悪役に徹しようと決めていたのに、次のシャチさんの言葉で簡単に心が揺らいでしまった。
「A、お前何を隠してる。何か困ってるんなら正直に言え。おれ達でいいなら助けるから」
「そうだ、シャチの言う通りだ。何か訳があるんだろ」
どうして、トラファルガーさんと同じようなことを言ってくれるの。
こんな私に手を差し伸べてくれるの。
本物の悪党のくせに。
……違う、彼らを悪党だなんて思っていたなら、私はここに帰ってこられなかった。
唇を噛み締め、彼らに背を向ける。
「トラファルガーさんがいないというなら、私も探しておきますよ。なので今日はもう帰ってください」
「待てよA！」
痛いのは、私も同じ。
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
