85-帰ってきた非日常 ページ38
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「じゃあ、改めてAの仲間入りを祝して……」
シャチが音頭をとり「かんぱーい！！」とジャッキを掲げるとあちこちから乾杯や歓声の声が響く。
初めは帰ってきた私をちやほやしてくれていたけど、徐々に普通の宴会と化して、程よく酔ってきた彼らは好き放題騒いでいる。
「A〜楽しんでるかァ？」
「お前も歌えよ〜遠慮しないでさ〜」
「もっと真ん中来いよー」
生憎自分から騒ぐのは得意ではない。
ダル絡みしてくる酔っぱらい共をなんとか交わしてさり気なく離れる。
こいつら、私のことを理由に宴がしたかっただけなんじゃ……？
色々と思うところはあるが、賑やかな皆を見ているとまあいいかと頬が緩んだ。
そして大体の人が寝落ちして静まってきた深夜、風にあたりに甲板に出た。
もうすっかり故郷は見えなくなっている。
夜の静けさと穏やかな波の音が、妙に切なさを掻き立てる。
「主役がこんなとこにいていいのか」
「船長。……主役って言ったって、皆好き放題に騒いでただけじゃないですか」
「違いねェな」
ふっと僅かに頬を緩めた船長は私の隣に並んで同じように海を眺めた。
「賑やかなのは嫌いか」
「騒ぐのはあんまり好きじゃないですが、皆が楽しそうに騒いでるのを見るのは好きです。海賊には向いてないかもですけど」
「いや、おれも同じだ」
不思議だ。
船長が同意してくれだけで、肯定してくれただけで、このままの自分でいいんだって思える。
勇気が湧くんだ。
少しの緊張を抑えるため、拳を軽く握る。
「私、船長のこと好きなんだと思います」
「A……」
「ただまだ人生経験が浅いので、恋愛感情なのかは判断できないんですけど」
「……ぬか喜びさせんなよ」
「へへ、すみません。でも」
嘘をついた私を信じてくれた。
助けてやると手を差し伸べてくれた。
素の私を愛してくれた。
初めて私を認めくれた人。
だから、しっかりと向き合っていきたい。
「これから一緒に過ごしていくうちにその答えを見つけたいと思ってます」
「……なら、手加減してやる気はないが」
「受けて立ちます！」
「覚悟しとけよ」
船長は柔らかく笑むと、私を優しく腕の中に閉じ込めた。
これからは船長と皆と、
想定外だらけの非日常を過ごしていく。
海の深さを知った
____fin.
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
