51-名女優なんかじゃない ページ4
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クルーの皆や船長であるトラファルガーさんに嫌われないように努力してきた。
でも、いつからだろう。
好かれていると感じ始めたのは。
そしてそれが求愛だと気づいたのは。
私はズルい人間だ。
好かれていると知りながら、尻尾を振って、
その熱が冷めないようにして。
更には彼の好意を利用した。
「おれ達とこのまま一緒に来る気はないか」
罪悪感がないわけじゃない。
私を仲間と認めて、旅に誘ってくれた彼を、皆を、騙し続けていたという後ろめたさはある。
YESと答える権利はなかった。
NOと答える義務があった。
それでも、あの時は、
「トラファルガーさんと出会えてよかったです」
口が勝手に動いていた。
これが本心だったのかはわからない。
わかろうとしてはいけない気がする。
この台詞がもし、咄嗟に頭に浮かんだものだったのなら、私は名女優になれるだろう。
「お姉ちゃん、あの人ってトラファルガー・ローでしょ？死の外科医でしょ？」
「そうだよ」
「どうやって捕まえたの？」
「……ちょっと仲良くなって、油断させたの」
入り口の方まで歩くと、レアが私の姿を見るなり慌てて話しかけてきた。
「彼を海軍に引き渡すってことだよね。お姉ちゃんはそれでいいの？」
「良いも何も、その為に連れて来たんだから」
「けど、お姉ちゃん、辛そうだよ」
「…」
「ずっと浮かない顔してる」
「そりゃ、人を騙したんだもの。多少の罪悪感はあるよ。私だって鬼じゃないし」
レアの人の感情を見抜く能力には毎度驚かされる。
そんなに表情に出してないつもりだったんだけどなあ。
人の気持ちを察し、愛嬌のあるレアはこれだから皆から愛される存在なのだ。
……私とは違う。
話題を打ち切るように「セナはどこ？」と声のトーンを上げて言えば、「……海軍に通報しに行くって言ってた」と渋々教えてくれた。
ありがと、と御礼を言い、事務室に向かった。
その間もレアの鋭い指摘の言葉が脳をグルグルと回っていて。
罪悪感だけじゃない。この苦しい気持ちは。
じゃあ、この気持ちは一体？
正体不明な感情に名前をつけてはいけない気がした。
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
