74-魔法よりも強力な ページ27
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トラファルガーさんは腰を曲げて「あんな奴らに泣かされてんじゃねェよ」と私の目元の涙を人差し指で拭う。言葉だけが厳しくて、優しげな目でこちらを見る彼に胸が苦しくなる。
考えるより先に「どうして……？」と疑問が口から零れる。
立ち上がり、距離を詰めて問い質す。
私は助けてもらえるような人じゃないのに。
レアと違って、魅力なんかないのに。
「私は貴方を裏切った……」
「……さァ？何のことだか」
「私は貴方を川に落として、」
「あれは自分で足を滑らせただけだ」
「貴方を拘束して」
「こっちは海賊なんだ、警戒されるのは当然だ」
「貴方を海軍に____」
「A」
後頭部に手が添えられたと思うとそのまま乱暴に引き寄せられ、ぽすっと彼の胸に寄りかかる。
「言いたいことは後でいくらでも聞いてやる。今はアイツらを片付けることを優先する。お前は安全なところで待ってりゃいい。いいな？」
温かい体温に、少しだけ速いような心音に、
私はやっぱりどうしようもないほど安心してしまう。
彼がくれたのは魔法のような言葉だった。
思わず彼の背中に手を回しかけると「せんちょー！！」とシャチさんの声が聞こえ、我に帰って慌ててトラファルガーさんと距離を取る。
「先に行かないでくださいよ！！」
「お前らもとっとと来い」
「船長みたいに自在にワープできないんで無理っす！」
「……仕方ねェな」
先程のように技を出そうとするトラファルガーさんに、「あの、」と呼び掛ける。
「何だ」
「これじゃあ私しか得しない……」
「じゃあ全部終わったら、おれらと一緒に来い」
「それは、つまり」
「海賊になるってことだ」
「…」
「まァ別に強制はしねェが、……王女だからだとかそんな余計なもんは取っ払って、自分がどうしたいかを考えろ」
「私が……どうしたいか……」
「そうだ。お前が、おれらと一緒に来たいんだって思うなら来い。……だがとりあえず今は船内で待ってろ」
「2分で終わらせてやる」と私の頭を撫でて、次の瞬間、彼はいなくなっていた。代わりに樽が転がった。トラファルガーさんはシャチさんやペンギンさん、その他のクルーもゴイルの船の上にワープさせたようだった。
「Aー！！すぐ片付けるからな！」
「もうちょっとだけ大人しくしてろよ！」
「あと少しの辛抱だ！」
クルーの皆に励まされて、その優しさにまた泣いてしまいそうになった。
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
