72-真相 ページ25
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「あ？偽札なんて証拠どこに___」
「もういい。帰らせてもらう」
おそらくこのケースに入ってるお金はすべて偽札だ。
幾らか手に持って確認してみたけれど、本物は混ざっていなかったから。といっても、普通に市場に出回っていたらバレないであろうクオリティだ。
私は初めから疑いを持っていたから気づけたけど。
ケースを海へと投げ捨てる。
この行動が逆鱗に触れたようで、ゴイルは「てめェ……」と逆上している。
「海賊様を無我に扱っていいと思ってんのか！？」
「時間がないの。そもそも最初からアンタを信用してたわけじゃない」
「生きて帰れると思うなよ！」
ゴイルはこちらに飛び乗ろうとしているのか、船から身を乗り出す。
まずい。
言葉で負ける気はないけど、戦闘に持ち込まれたら敵わない。手を打たないと。
……これはあまり使いたくなかったのに。
覚悟を決め、服の中に隠し持っていた銃を両手で構える。
「動かないで。動いたら撃つから」
「……くくっ」
「……何がおかしい」
「いいや？大した王女サマだなって思ってな。やはり女の方が賢いな」
「？何言って」
「一年前に会った国王は、楽に騙せたんだが」
銃を構える手が小刻みに震える。
そうだ。
確かこいつ、電話で父の死の真相を知ってる的なことを言ってた。もしかして、ゴイルが関係している？
「どういうこと？」と尋ねる。手と同じように声まで震えた。
ゴイルは怒りは一旦鎮まったようで、またニヤニヤとこちらを煽るように笑った。
「去年、マリナー王国に上陸した時、丁度天上金について困るという情報を耳にしたんでね。電伝虫で、アンタと同じ条件で前国王に取引を持ち掛けたんだ」
じゃあ、父が何も言わず出て行ったのって、……。
欠けていたピースが手に入り、１つの真相を導き始める。
「あの男、疑いもせずにノコノコと現れてよお、『ありがとう君のお陰で国を救える』とまで言ってきやがった。騙されてるって最後の最後まで気づかなかったようだな」
「！っ……」
「んで、この時は偽札は用意してなかったから、持ってきた財宝を奪って、あの男は船ごと始末してやったさ。丁度波が荒れていたから、海難事故と判断されたらしいな」
銃が吸い込まれるように床に落ちた。
私は堪らず、その場に膝を着いた。
この1年間堰き止めてきた父への想いが、涙となって溢れてきた。
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
