59-貴方に恋をしているから ページ12
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檻の中に入り、一時的にトラファルガーさんの手を解放した。
すぐに殴られて逃げられる可能性も考えなくはなかったけれど、それならそれで構わなかった。
逃げられてもいいと思ってしまった。
というより、自ら彼が逃げてもいい状況をつくったのかもしれない。
でも彼は逃げなかった。
具がほとんどないスープを飲み干し、申し訳程度に添えられていたクロワッサンは「パンは嫌いだ」と一切手をつけずに残した。いや結局好き嫌いするんかい。
「食べ終わったなら、また縛るけど」
「……お前、」
「なに」
「おれに言いたいことは、ないのか」
縄を持つ私の手を掴んで静かに尋ねる。
すべてを見透かしたような瞳からどういう意味しているのか汲み取ろうとしたけれど、何も手掛かりはなかった。
「？ない、けど……」
「……そうか」
彼の手が離れていく。
縄を持つ私の手が震える。
彼がこのまま大人しくいてくれてれば、国は助かる。
少なくともバットエンドは迎えない。
でも、
______でも……。
「お前、泣くくらいなら事情を説明しろ」
泣いてる？
私が？
さっき拭ったはずなのに？
指摘されて頬に指を当ててみると、確かに濡れていた。気づいてしまえば、もう止められなかった。涙と共に本心が溢れてしまいそうだった。
「んで、おれに助け求めりゃいいだろ」
そんなことできない。
だって私は、貴方を裏切った。
初めから裏切るつもりで出会ったんだから。
貴方に助けを求めるなんて、図々しいことできない。
「どうしてそこまで」
「惚れてるからだ」
トラファルガーさんは以前と違って迷いなく言い切った。そしてまだ自由である手で私の頭を撫でた。
わかってはいたけれど、改めて言葉にされると想像以上に熱量を感じた。
「Aの意思を持った強い目に惹かれた。
だからおれは、お前を助けたい。それだけだ」
涙がますます止まらなくなってしまう。
トラファルガーさんが惹かれたという私が、例え演技をしていた私を指したのだとしても、私個人と向き合ってくれていることが何より嬉しかった。
「トラファルガーさん、私本当は」
______貴方を海軍に渡したくない
この言葉を最後まで言い切らないうちに、「A様ッ！！」とセナが血相を変えて飛び込んできた。
「……国に向かってきてくれていた海軍と、連絡が途絶えました……！」
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
