48-海に出た理由 ページ1
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「……お前は何故、海に出た」
海に出た理由なんて、ただ一つ。
「守りたいものがあるから」
咄嗟に答えてしまった本音は、運良く波の音に紛れてトラファルガーさんには届かなかったみたいだけど。
誤魔化せなかった。
故郷を思う気持ちを。
大切なものをなんとしてでも守りきる覚悟を。
故郷を守るためならどんな手でも使うんだ……。
「重っ……」
川に引きずりこんだトラファルガーさんを渾身の力でなんとか陸に押し上げる。彼は意識はあるものの、全身を水に使ったせいかぐったりとしている。
地面に仰向けに倒れっぱなしで、時折咳き込んでいる。
しばらくろくに動けそうもない彼を尻目に、服や髪の毛に染み込んだ水を絞る。
悪魔の実の能力者って大変だなあと呑気に考える。
海賊のくせにカナヅチ。
船に乗るリスクは常人よりもよっぽど高い。
2億の男でさえこの姿になってしまうのだから。
川の水でキシキシになった髪に手ぐしを通していると、偶然通りかかった女の人と目が合った。
あ、この人は。
「……A様？」
「うん、久しぶり」
「A様！A様でいらっしゃるのですね！」
私がびしょ濡れなことを気にせず、ぎゅっと力いっぱい抱き締めてくれた。
「ご無事でいらっしゃったのですね……本当に、本当によかったぁ……！」
伝わってくる体温と心の底なら嬉しそうな声に、川に落ちて冷えていた体が芯から温まっていく気がした。そっと彼女の背中に手を回し、泣きたくなるのを堪えながら「心配かけてごめんなさい。間に合ってよかった」と言う。
「これでレア様も解放されますね」
「うん。それでセナ、早速だけどお願いがあるの」
「なんでしょうか」
「縄とか…ロープ？を持ってきて欲しいの」
「どうしてそのようなものを……」
セナは私のお願いに戸惑っていたが、側に倒れているトラファルガーさんを発見してすぐに察したようだった。胸に手を当て、こっちに向かって頭を下げる。
「かしこまりました。すぐにお持ちします」
「ありがとう」
セナが一旦立ち去ると、それまで喋ることもままならなかったトラファルガーさんが口を開いた。
「…………やはり何か企んでやがったか」
何も言わずに口角を少し上げる。
故郷を守れるなら悪人に堕ちたって構わない。
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
