006-出会い(3) ページ7
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伝わってくるのは子供特有の少し高い体温。
そしておれを見上げてくる瞳は、子犬や子猫のように愛らしいもので…
無理だろ、この手を振り払うとか、無理だって。
女性は困ったように笑って「お兄さんが困ってるでしょ」と少女の肩に手を置く。その一言で我に返ったらしく、少女はハッと息を飲んだ。
「お、おにーさん、」
「ん？」
「A、迷惑？」
「…」
「迷惑かけちゃった？」
どうしてこの子は人に迷惑をかけることをこんなに気にするのだろう。
さっきも迎えに来て貰った時「迷惑かけてごめんなさい」って言ってたし。
何か、トラウマ的なものでもあるのだろうか。
仮にそうだったとしたなら。
「迷惑なんかじゃないさ」
肩にかけてたスクールバックをリュックのように背負い、少女を抱っこしてやる。
少女は「わーすごい！！高い！」と興奮して高い声で叫んだ。その声からは、先程までの潮らしさが消えていた。
彼女の名前は女性が呼んでいたし、彼女自身も言っていたけれど、なんとなくきちんとこの子の口から教えてほしかった。から尋ねてみた。
「君の、お名前を教えてくれるかい？」
「うん、Aだよ！」
「そうか、じゃあA。君を家まで送るよ」
後ろで女性の「えっ」と戸惑う声が聞こえた。
Aはそれに気づかず「わーい！お兄さんと一緒だ！」と嬉しそうにおれを抱き締める。
「すみません、お兄さん……」
「いえ、おれが送ってやりたいだけなんで。家まで案内していただけますか？」
「はい。ありがとうございます、本当に」
申し訳なさそうに水鳥のように頭を下げる女性の後ろをゆっくりとついていく。
「お兄さんの抱っこ、他の人より高いねえ……」
散々騒いでいたAは、その言葉を最後におれの腕の中で眠りについた。
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アマシギ - 素敵すぎる…！！どの作品もとても優しさあふれるお話ですね…。応援してます！！ (2022年9月23日 22時) (
レス) @page44 id: 4cd718819a (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最っっ高です、、、素敵な作品に出会えました。本当にありがとうございます。これからも頑張ってください。応援してます！ (2022年7月20日 20時) (レス) @page44 id: 70b28d3e93 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - 泣いた…。めっちゃ素敵なお話でした…。ありがとうございました…！ (2021年6月25日 19時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - ゆゆさん» わわわ、ありがとうございます…！完結してしばらく経ってもコメントを頂けて嬉しいです（ ; ; ）この小説では如何にしてコラさんと夢主の距離(家族としての)を縮めていくかめちゃくちゃ試行錯誤して考えたので、そう言ってもらえて嬉しいです…！ありがとうございます (2020年8月6日 17時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 初めまして！とんでとない素敵な作品に巡り会えました・・・読み終えた後、心がめちゃくちゃぽかぽかしました、最高です......(TT)特に作文のシーンなんかは感動しすぎて泣いてしまいました（笑）ぱぅちさんの小説、とても大好きです。これからも応援しております、、！ (2020年7月8日 0時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年7月10日 20時
