040-サンジ ページ41
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サンジは私より一つ年上だった。
実は作るものを決めてないと明かせば、「じゃあおれに任せて」と食材を選んでくれた。
献立を決めてくれるらしい。
サンジと話すのは楽しかった。
食材や料理についての知識は本当に豊富で、コラさんとはこんな話しないし、耳に入ってくる情報が全て新鮮で。
しかもさりげなく私が買った分も待ってくれるという紳士的な一面も。
「おれが手伝ってる店近くなんだけど、寄ってく？よければ一緒に作って食べようよ」
スーパーを出るとサンジがそう提案した。
「え、お店に迷惑じゃないかな……」
「大丈夫！邪魔になんねーとこでやるから」
「そ、か……それなら」
お言葉に甘えて「お願いします」と深々と頭を下げれば、サンジは柔らかく笑って頷いた。
「サンジはどうしてお店を手伝ってるの？」
「手伝ってるっていうか……その店に住んでんだ」
自営業を営む家系なのかと思ったけど違った。
サンジの次の言葉に心臓がドクリと震える。
「おれ、本当の家族じゃない人と暮らしてんだ」
私と、一緒だった。
ただ斜め下を向いて語るサンジの横顔からは、寂しいという感情は読み取れなかった。
「引き取ってくれた人がその店の料理長で……おれも元々料理は好きだったから、手伝ってる」
「……そうなんだ。すごいね、サンジは」
「すごくなんかないよ。やりたいからやってるだけだから」
サンジもローも私と数歳しか違わないのに、どうしてここまでしっかりしてるんだろう。
私と同じ立場のサンジだって、きちんと自分がやるべきことを持っている。
_______私は？
私はコラさんのために何かしてあげられている？
コラさんは私に生活する場所を、寝る場所を、食べる場所を与えてくれている。
全部、彼に任せっきりで。
お手伝いをしているとはいえ、コラさんから貰った分を返せているとはいえない。
何か、一つでも彼に返したい……
目的がはっきりとした形になれば、ようやく行動に移せる。
「あのね、サンジ。私も血は繋がってないけどお世話になってる人がいて」
サンジは小さく目を見開いたが、「…そっか」と一言呟いた。
「その人に料理を作って感謝を伝えたい。……だから、私に料理を教えてください」
私にできること、見つけた。
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アマシギ - 素敵すぎる…！！どの作品もとても優しさあふれるお話ですね…。応援してます！！ (2022年9月23日 22時) (
レス) @page44 id: 4cd718819a (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最っっ高です、、、素敵な作品に出会えました。本当にありがとうございます。これからも頑張ってください。応援してます！ (2022年7月20日 20時) (レス) @page44 id: 70b28d3e93 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - 泣いた…。めっちゃ素敵なお話でした…。ありがとうございました…！ (2021年6月25日 19時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - ゆゆさん» わわわ、ありがとうございます…！完結してしばらく経ってもコメントを頂けて嬉しいです（ ; ; ）この小説では如何にしてコラさんと夢主の距離(家族としての)を縮めていくかめちゃくちゃ試行錯誤して考えたので、そう言ってもらえて嬉しいです…！ありがとうございます (2020年8月6日 17時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 初めまして！とんでとない素敵な作品に巡り会えました・・・読み終えた後、心がめちゃくちゃぽかぽかしました、最高です......(TT)特に作文のシーンなんかは感動しすぎて泣いてしまいました（笑）ぱぅちさんの小説、とても大好きです。これからも応援しております、、！ (2020年7月8日 0時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年7月10日 20時
