017-君の泣き場所 ページ18
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彼女の主張にカッと頭に血がのぼる。
なんだよ、
……なんだよ、それ。
「…嫌われたくないとか以前に、お前がコラさんのこと信用しろよ」
「!」
おれの方が年上だし、熱くなるのはよくない。
そう、頭の隅から警戒音が鳴り響いていたけれど、
“あの人”を侮辱されたようで冷静になんかなれなかった。
「そんなことでお前を嫌いになるほど、コラさんは小せェ男じゃねーよ。そりゃ慌てるだろうが、どうにかしてお前の涙を拭ってやりたいってそう思うはずだ」
Aはその場にしゃがみ込む。
膝に顔を押し付けて、肩を震わせて。
本当はAだって泣きたかったんだ。
ずっと心の中で泣いてたんだ。
頭の熱がすうっと引いていく。
おれもしゃがみ、一瞬躊躇しつつも、彼女の頭に手を置いた。
そして柔らかい髪をくしゃくしゃと撫でてやる。
「ほら、ガキは泣け。泣きたい時は泣きゃいいんだ」
「が、ガキじゃ、ない……し」
「小学生はガキだろ」
泣きながらも「ガキじゃない」とまだ意地を張るAの頭に軽くチョップし、フッと頬を緩める。
なんでこんな出会ったばかりの奴に必死になってるのか、自分でもよくわからなかった。
「お前を心配してるのは、コラさんだけじゃねェんだ」
「……ロー、も?」
「あァ。もし泣きたかったら、おれかコラさんの所に行け」
きっとコラさんに「頼む」と稀に見る真剣な表情で言われたからだろう。
うん、きっとそうだ。
「Aの泣き場所くらいなってやるよ」
そうして後々Aは、
泣く時は必ずと言っていい程おれの元へ来ることになるのだが、
それはもう少し先の話。
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アマシギ - 素敵すぎる…!!どの作品もとても優しさあふれるお話ですね…。応援してます!! (2022年9月23日 22時) (レス) @page44 id: 4cd718819a (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最っっ高です、、、素敵な作品に出会えました。本当にありがとうございます。これからも頑張ってください。応援してます! (2022年7月20日 20時) (レス) @page44 id: 70b28d3e93 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - 泣いた…。めっちゃ素敵なお話でした…。ありがとうございました…! (2021年6月25日 19時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - ゆゆさん» わわわ、ありがとうございます…!完結してしばらく経ってもコメントを頂けて嬉しいです( ; ; )この小説では如何にしてコラさんと夢主の距離(家族としての)を縮めていくかめちゃくちゃ試行錯誤して考えたので、そう言ってもらえて嬉しいです…!ありがとうございます (2020年8月6日 17時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 初めまして!とんでとない素敵な作品に巡り会えました・・・読み終えた後、心がめちゃくちゃぽかぽかしました、最高です......(TT)特に作文のシーンなんかは感動しすぎて泣いてしまいました(笑)ぱぅちさんの小説、とても大好きです。これからも応援しております、、! (2020年7月8日 0時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぅち | 作成日時:2019年7月10日 20時