12-空回り、恋煩い(1) ページ13
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五条悟
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嫌だ、認めたくない。
生徒に恋をするなんて有り得ない。
そんなこと、あってはいけないのだ。
普段からクズだの性格が悪いだの散々に言われている僕だって、それくらいの常識はある。
危うく自覚するところだった淡い想いを、ギリギリのところでへし折る。
Aは生徒。
この合言葉を頭の中で何度も反芻する。
「……五条先生？体調悪いの？」
Aの不安げな声が振ってくる。
蹲み込んでしまった僕を心配くれているようだった。
返事をしようと顔を上げる。
「ッ……」
思っていたよりも近くに顔があって、不可抗力で胸が高鳴る。
いやいやいや！何ときめいちゃってるの！
誤作動すんな心臓！！と渾身の力で心臓辺りを殴る。自分でやっといてめちゃくちゃ痛くて「うぐっ」と呻き声をあげる。
Aは突然の僕の奇行に驚き、今度は「えぇえ……？」とちょっと引いた目で見てきた。
「センセ、(頭)大丈夫？」
「大丈夫大丈夫。でも一応硝子のとこ行ってくるね」
「あ、うん。えと、お大事にー？」
自分の足で移動するのももう面倒くさくて、硝子のいる医務室までトんだ。
硝子が座っている向かいの丸椅子に腰を下ろす。
「硝子ー」
「普通に入ってこい」
「一回本気でビンタしてくれない？」
「いいの？一回と言わず何度でもしてあげるが」
「うん、ちょっと、邪な気持ちを追い出そうと思って」
珍しくテンションの低い僕に、硝子が僅かに目を見開く。
「五条、……お前、まさか」
「ストップ。それ以上は言わないで」
「…」
「僕だって戸惑ってるんだよ。戸惑って、悩んで、でも絶対に認めないことにした」
「それはまた茨の道を選んだな」
茨の道。果たしてそうなのだろうか。
僕は、面倒ごとを避けたいからこの道を選んだというのに、第三者の硝子はそれを茨の道と名付ける。
「ま、でも丁度良い時に来たね。Aの呪いの解呪方法が分かったんだ」
ハッと呼吸が止まる。
やっと、やっとこの悪夢から抜け出せるのだ。
目隠しの下で瞳が煌めく。
「簡単なことだよ」と前置きする硝子に、早く教えろと促す。
そして硝子は解呪方法を教えてくれた。
内容は確かに簡単なことだった。
でも、僕にとってはこの上ないほどの難易度だと感じた。
「被呪者が、好きな相手のことを忘れたくないって思えば、それだけで解呪できるらしいよ」
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ぱぅち(プロフ) - レモン茶さん» こちらこそいつもあたたかいコメントありがとうございました！😭 レモン茶さんからコメント頂ける度に嬉しかったです！！これからも頑張ります！！💪 (2021年10月25日 22時) (
レス) id: 50c1a80a5c (このIDを非表示/違反報告)
レモン茶(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで本当に素敵なお話でした！また次回作があればまた読みたいです！ぱうちさん本当にお疲れ様でした！ (2021年10月21日 20時) (レス) @page34 id: 7311114e12 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - さざんかさん» 最後までお読みくださりありがとうございました！😭 こちらこそ素敵なコメント頂けて本当に嬉しいです！私にとっても忘れられないお話しになりました✨ (2021年10月21日 17時) (レス) id: 50c1a80a5c (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - ナハマヤラさん» 最後までお読みくださりありがとうございました！😭更新が遅すぎた中でも最後までお付き合い頂いた読者様には本当に感謝でいっぱいです…！これからも頑張ります！💪 (2021年10月21日 17時) (レス) id: 50c1a80a5c (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 白米さん» 白米さん！こちらこそ最後までお読みくださり、本当にありがとうございました！！😭 甘くない話を書いていると、読者様に楽しんでもらえてるかな…と不安になるのですが、そんな中でも白米さんにあたたかいコメントを頂けて安心してました笑ありがとうございました！ (2021年10月21日 17時) (レス) id: 50c1a80a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2021年5月30日 21時
