突然キスしてきた伏黒くんが彼氏面してくる【呪術廻戦】

07-拗ねた君 ページ7

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「顔赤、」

「だ、誰のせいだと思って」

「誰のせい？」





今更何で分かりきったことを質問してくるのか。

図星を突かれて悔しくて、精一杯睨み上げながら返す。





「そんなの伏黒くんしか____」

「なあ」





言い返して文句言ってやるつもりだったのに、それは叶わぬ夢となった。

伏黒くんが私の肩口に頭を乗せて寄りかかってきたことによって。

いきなりそんな密着されるなんて微塵も予測していなかったから、怒りとかそんなのは吹き飛んで頭の中が真っ白になってしまう。



少し遠くでわーきゃー騒いでいるやかましい声が聞こえる。やばい、きっと皆見てるんだ。忘れかけてたけどここグラウンドじゃん。そんでもう授業始まるじゃん。

「ちょ、伏黒くん」と彼の背中をぽんぽん叩くも、反応はないしどいてもくれない。


ど、どうすればいいんだこの状況、と心臓ばくばくさせながら思案していると、ボソリと小さな小さな声が聞こえてきた。





「…………、なんで名前で呼んでくれねーの」

「へ？」





面白くなさそうな、拗ねた声。

顔は隠れているけど、その声色だけで安易に表情が想像できてしまう。

彼がこれほど声に感情を乗せるのは珍しい。


伏黒くんは確かに私を名前で呼んでくるようになったけど。私にもそうして欲しいってこと、……だよね。

何で？

彼が要求してくる内容の意味が理解できず、答えるのに戸惑ってしまう。

どうしよう、何て言えば____。





「あのー、お二人さん、授業始めちゃってもいいかなぁ？」





私達の空気をぶち壊したのは遅れてやって来た五条先生だった。

私は驚いて短く悲鳴を上げ、渾身の力で伏黒くんを突き飛ばした。

伏黒くんが「てめぇ…」と睨んでくるけど無視だ無視。悪いのは君の方だ。


「若いっていいねぇ、輝いてるよねぇ」とぶん殴りたいぐらいニヤニヤしてる五条先生に、「早く授業始めてください！」と必死で話題を逸らそうとする。





「伏黒！アンタ、Aに何してんのよ！やっぱむっつりじゃねーか！」





野薔薇が伏黒くんに何か言ってるけど、私には何も関係ありません何も聞こえません。






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