05-嘘つきとキス ページ5
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「あんのクズ教師がぁ!まさか真希さんのスカートじゃねーだろうな!」
「まじ!またやってんの!あっはは、見に行こー」
「笑ってんじゃねーよ虎杖」
野薔薇と虎杖くんは物凄い勢いで教室を出て行った。
目的は違えど、五条先生を見に行ったのは確かだ。
出遅れてしまったが、私も見に行きたい欲に駆られている。怖いもの見たさ的な好奇心が湧いてくる。
「私も行こっかなー」と椅子から立ち上がりかければ、それを阻止するように手首を掴まれた。
「ちょろいな、アイツら。すぐ騙されて」
「騙されてって、……まさか嘘だったの?!」
「うん」
「えぇえ、ちょっと残念」
「残念なのかよ」
「五条先生のスカート姿見てみたかった」
なーんだ、と肩の力を抜く。
嘘か、嘘なのか……。
あれ、でも。
頭に浮かんだ疑問をそのままぶつける。
「何であんな嘘ついたの?」
「何でって」
あ、なんか変な空気。
腰を曲げた伏黒くんは昨日よりもよっぽど手慣れた様子で唇を重ねてきた。
押し付けられる唇に、息をするのを忘れて苦しくなる。
顔が離れると、ニッと妖しく上がる口元が見えて。
「厄介払いしたかっただけ」
「、……意味わかんない」
「じゃ、御礼は貰ったから」
ノートを持って、何事もなかったかのように自分の席に戻っていく伏黒くんに、原因不明のモヤモヤが募る。
何なの?
昨日から一体どういうつもりなの?
私、もしかして遊ばれてる?
伏黒くんの方を見ても、彼はスマホをいじっていて一瞬も目が合わない。
伏黒くんは私のこと好きなの?
でもそんなこと一言も言われてないし。
訳わからない。
迷宮に入り込んで、それでもたった1つだけわかることは。
触れた唇が、熱い。
この後、伏黒くんのせいで冤罪を着せられた五条先生は「今回はマジでやってない」と主張するも、中々信じてもらえず大変だったらしい。
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しろりん(プロフ) - 私もこのお話大好きで、何度も読み返してるんですが…ちょこっとだけ、おまけ程度に夢主ちゃんが恵くんの事を『伏黒くん』じゃなくて名前で呼んでるお話読みたいです…2年前に完結してますけど…気が向いたらでいいので…。😳 (2023年4月25日 17時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
ささき(プロフ) - とても楽しく読ませて頂きました!これからも応援しています。 (2021年2月26日 18時) (レス) id: 0a7371db4e (このIDを非表示/違反報告)
夜空の星 - 最高でした!新作も楽しんで読ませてもらってます! (2021年2月21日 0時) (レス) id: ab019124cf (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - かえさん» 暖かすぎるコメント頂けて嬉しいです〜!( ; ; )シリーズ化は考えていませんでしたが、書くの楽しそうですね!もしネタが浮かんだら書いてみようと思います!素敵なご意見ありがとうございます(^^) それと最後までお読みくださりありがとうございました! (2021年2月18日 20時) (レス) id: 4a1d1da0e2 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 本当に面白かったです!!毎日更新されるの今か今かと楽しみにしてました(笑)ぜひぜひ彼氏面してくるをシリーズ化して欲しいです、、!五条先生や他の人もみてみたい、、! (2021年2月18日 0時) (レス) id: 26e6a6e1c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぅち | 作成日時:2021年2月11日 14時