突然キスしてきた伏黒くんが彼氏面してくる【呪術廻戦】

14-彼氏面してくる(1) ページ14

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結局あの後、何を言う暇も与えてくれないくらいにキスをし続けて、お互いに疲れ切ってしまって。

伏黒くんの返事は聞けぬまま寮に戻ってしまった。

仲直りはできたし、最近の悩みのタネは解決できたんだけども……新たな悩みが生じた。


私はちゃんと言った。
伏黒くんに好きだって。
何度も。

だから伝わってないなんて有り得ないし……。

だとしたら何で受け流されたんだろう。

ひたすら1人で悩んでも答えが分かるはずもなく。

やっぱり本人に直接聞くしかないよね。
でもどうやって切り出せばいいの？
告白の返事をください。って？
……いや、恥ずかしすぎない？









一歩踏み出せないまま、2人きりの時に伏黒くんとキスを交わすという日々に逆戻り。

幸せを感じるからそれはいいんだけど、でもいまいち伏黒くんの考えてることが掴みきれない。

目を見たら気持ちが分かる能力でも備わっていればいいのに。


ある日、実技の休憩がてらベンチで虎杖くんと映画の話で盛り上がっていた。





「え、花野マジで！この映画見たの？結構マイナーじゃねぇ？」

「最近暇な時に映画見るんだー。ほら、スマホで。虎杖くんこそ、そんなに映画好きだったんだ？」

「俺は死んでる時に映画ばっか見せられてたからその影響かな。あ、じゃあ今度何か一緒に観に行く？」

「いいね！久々にちゃんと劇場で観たいかも」

「な！やっぱ迫力が違うもんなあ」





映画に行く約束をしていると、スマホが鳴った。
虎杖くんに「ちょっとごめん」と謝り、画面を見る。
そこにはメッセージが表示されていた。





『嫌だ』





…
伏黒くん、からなんだけども。

いきなりどうしたんだろ。
何が嫌なの？

唐突すぎて意味を理解できない。


画面を眺めつつ考え込んでいると。





「A」





真上から名前を呼ばれた。

反射的に顔を空の方に上げれば、伏黒くんの顔があって。

ベンチの後ろから私の顔を覗き込むようにして立っている。





「……行くなよ」





拗ねた顔をした伏黒くんがそう言って。

今度こそ何を言われてるのか理解した。

映画のことだ。


…
もしかして、やきもち妬いてるの？
どうして。

ぼんやりとした頭で思う。




名前で呼んでくるし、

名前で呼んで欲しいって言ってくるし、

虎杖くんと映画行く約束したらヤキモチ妬くし、

キスだってたくさんしてくるし。

なんか、とても。





「(彼氏みたいだなあ、伏黒くん)」






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