検索窓
今日:2 hit、昨日:27 hit、合計:239,341 hit

12-効果は切れた、はず ページ12

.





ホレルノ実の効果が切れると、驚くほどサンジに対して何も思わなくなった。

ホレルノ実の効果なんて関係なく、もしかしたら自分は本当にサンジのことが好きなんじゃ……と思え始めていたのがこの実の怖いところだった。もちろん、実際はそんなことなかったのだけど。





「もうサンジ君のこと好きじゃないのー?」

「仲間としては好き」

「何それつまらないわね〜」

「つまんなくて結構ですー!」





甲板でギャーギャー騒ぐルフィ、ウソップ、チョッパーのお子様トリオを眺めながらナミと話す。

ナミは私がもうサンジにされてないことを知り、「面白いネタがなくなった」と残念がっている。……こいつ他人事だと思って、とはこの数日間で何度思ったか数え切れない。



仲間との恋愛なんて、有り得ない。
私は最初からそう思っている。
恋愛なんて脆い関係で繋がるべきではないからだ。

サンジは私の気持ちを無下にはしなかった。
私が彼を好きなのは一時的なものであって私自身の本当の気持ちではない、と慎重に向き合ってくれた。
……ま、3日目はサンジが悪いんじゃなくて、私が悪いということで……。


でもいつか、サンジに好かれる女の子がいるとしたらその子は幸せ者だなあと思える。

正直、羨ましい。





「ナミさん、Aちゃん、本日のおやつです」

「わー!ありがとうサンジ君」

「ありがとう!」





突然珍妙な動きをしながら現れたサンジに、私はクスッと小さく笑う。





「ロビンちゃんはどこに?」

「ロビンはアクアリウムバーで本読んでるわよ」

「そうか、じゃあお届けにいかなければ…!」





相変わらず通常運転のサンジ。

全く、この前とはすっかり別人で、……。



ふとベッドの上で「いいの?」と真剣な顔で目を覗き込んできた彼がフラッシュバックし、心臓が変な音を立てる。



あれ、なに、なんだこれ。




胸に手を当て黙り込んでいると、「Aちゃん?」と心配げに名前を呼ばれて、一際大きく鼓動が鳴る。


サンジが持ってきてくれたジェラートを一心不乱に食べる。





「な、なんでもない……!」





首を傾げるサンジと、何かを察したようにニヤニヤするナミか視界の端に映った。









ホレルノ実の効果はもう切れたのに、なんでドキドキしてるの……?






fin.

あとがき→←11-マイプリンセス



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (548 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
563人がお気に入り
設定タグ:ONEPIECE , ワンピース , サンジ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

白米(プロフ) - 今更ですみません!この作品も大好きなんです!!!ワンピースだとサンジとローが好きで…あれ?もしや好みが一緒…?とか思いながら見てます…笑 この作品何度も読み返す程大好きです!!!凄い今更ですみません笑 (2021年11月6日 4時) (レス) id: 28dea4d994 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 藍さん» 最後までお読みくださりありがとうございます…!次作はまだ構想中ですが、恐らくローさんかなあと考えております!あくまで予定ですが、、笑 コメントありがとうございました( ; ; ) (2020年8月12日 15時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうございます。次回作はありますか?あるのであれば楽しみにしてます!! (2020年8月10日 21時) (レス) id: cb413fc80a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぱぅち | 作成日時:2020年8月7日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。