32-白か黒か ページ32
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シャチ
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行方不明の王女に、事故死した国王。
Aの故郷は相当危機的状況にある。
ならば何故、Aは観光なんかしていたのか。大切な故郷の一大事中に、呑気に旅行なんかするのか。
何か、目的があるのでは。
できれば彼女が白だということを知りたいのに、知れば知るほど限りなく黒に近くなっていく。Aは良い子だよと力説していたベポでさえ、明らかになる事実に頭を悩ませていく。
「……こうなったら、直接聞いてみるしかねェな」
「直接？Aにか？けど、素直に白状してくれるかどうか……」
「ペンギンの言う通り、直接聞くのが一番早いよね」
「まあ、……そりゃそーだけどさぁ」
ペンギンの作戦も何もない強硬策に、ベポが同調する。
いや、確かに直接聞くのが手っ取り早いけど、んな手ぶらで挑んで大丈夫なのか？
少し迷いはあったものの、ペンギンとベポがいればどうにかなるかと思考をポジティブにし、なるようになれとAの部屋へ向かった。
Aの部屋は船長室の隣。
「いいか？行くぞ」と2人を見て、頷き合ったところで、扉をノックする。
すぐに「はーい」と元気の良い返事が聞こえ、おれらとお揃いの白いツナギを着たAが顔を出した。
「……あれ、皆さんお揃いで。どうしました？」
「あー、ちょっとAに確かめたいことがあってさ、今大丈夫？」
「大丈夫ですよ！あ、じゃあ中に入ります？」
「うん」
警戒心を与えないよう、いつもと同じトーンで話す。
順番に部屋に入り、最後に入ったペンギンが扉を閉めたところで、部屋の空気がピリッと変わった。
おれはいつも通りを意識しているのに、妙な緊張感が走った。もしかしたらAは、おれらが疑い始めていたことに気付いてるのかもしれない。
それならそうで、話が早くて助かるんだけど。
おれ達は視線を合わせて相談した結果、この中で一番冷静でいられるペンギンが話を持ち出すことにした。
「……ちょっと聞きたいんだけど、Aが観光で故郷から離れていたっていうのは本当？」
「本当ですよ」
「じゃあ、これを見て」
ペンギンは例の新聞を広げる。
Aは直前までいつもの笑顔で受け答えしていたが、新聞を見ると少し表情が曇った。
「これ、調べさせてもらった。Aの故郷だよな？こんな一大事に、観光なんかに来てていいのか？」
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ぱぅち(プロフ) - kiさん» わわ、ありがとうございます…！コメント頂けて本当に嬉しいです(^ ^)続編ではどんどん種明かしして参りますので…笑 続編でもよろしくお願い致します…（ ; ; ） (2020年4月5日 11時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ki(プロフ) - とても良くて思わず、初めて感想を書いてみようと思うほどでした。最後のシーンに驚きすぎて続編が楽しみです！無理せずに頑張ってください。ワクワクしながら待っています！ (2020年4月1日 3時) (レス) id: d59bd8fff6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 紗さん» あたたかいお言葉ありがとうございます…！（ ; ; ）まだまだ未熟ですが、文章を褒めてくださると本当に嬉しいです！続編も頑張ります！ (2020年2月4日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - 第一章おつかれさまでした！！表現の仕方とか素敵でとても好きです！更新ゆっくりでいいので、楽しみに待ってます！ (2020年2月1日 18時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 氷屋さん» コメントありがとうございます！ほんとに些細な描写が繋がっていったりするので、気がついてもらえるととても嬉しいです(^^) これからも不器用なローさんを描いていこうと思います！頑張ります！ (2020年1月22日 22時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月28日 18時
