21-走るシロクマ ページ21
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ベポ
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少し散策して分かったこと。
この島の動物は凶暴で厄介だ。気を抜かなかければ倒せないことはないけど、戦闘慣れしていないAは毎回命からがら逃げ回っている。
普通の女の子にこんな島で食料調達をさせるなんて、キャプテンは一体どういうつもりなんだろう。
キャプテンは世間からは残忍だと思われていたって、本当は優しいってこと、おれは知ってる。だからこの時ばかりはAをここに寄越したキャプテンのことがよく分からなかった。
「！？一匹じゃねェ！群れだ！群れで出てきたぞ」
「とりあえず何匹か捕まえんぞ！」
ツノを突き出して、明らかに威嚇しているサイが、ぞろぞろと何匹も出てくる。戦意があるなら話は早い。とっととやっつけてしまおう。
こっちに突進してきたヤツをジャンプをして交わし、「アイアイー！」と得意の蹴りを何発か入れればノックアウト。
この調子ならすぐに終わりそうだな。
骨のない相手に少し油断してしまっていた。
「A！危ないからおれの側から離れないで、……A？」
辺りを見渡すもAの姿はない。
代わりにちょっと遠くから「きゃあぁあぁあ！！」と女の子の叫び声が聞こえた。
まさか、と冷や汗が伝う。
「おいベポ！今の叫び声って！」
「うん、多分Aだよね」
「アイツ、大丈夫か？！」
「おれが行ってくる！はぐれると面倒だから皆はここにいて！連れ戻してくるから」
声のした方に全速力で向かう。
所々伸びている木の枝が邪魔だ。
それを掻き分けながら進んで行く。
恐らくAは、一頭かそれ以上のサイに狙われて、逃げているんだと思う。逃げ足はかなり早いみたいだから多分無事だとは思うけど。
Aは次の島まで連れてくってキャプテンが言った。だったら、この島で死なせるわけにはいかない。約束は守らなきゃね、キャプテン。
息を切らしてきた頃、ようやくAの姿を視界に捉えた。サイに背中を見せて逃げている。
あれ、A、怪我してる？
手で抑えている右肩からは確かに流血している。
遅かったか。
ごめん、A。
手を伸ばしながら走る。
それでもまだ彼女は遠い。
サイが力を溜めて、Aの方に突進を仕掛ける。
……避けて！！
この叫びが届いたのか、Aは振り向き、間一髪で避けた。
するとサイはその勢いのまま大きく聳え立つ岩に頭をぶつけた。そして地面に横たわる。なんと気絶したようだった。
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ぱぅち(プロフ) - kiさん» わわ、ありがとうございます…！コメント頂けて本当に嬉しいです(^ ^)続編ではどんどん種明かしして参りますので…笑 続編でもよろしくお願い致します…（ ; ; ） (2020年4月5日 11時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ki(プロフ) - とても良くて思わず、初めて感想を書いてみようと思うほどでした。最後のシーンに驚きすぎて続編が楽しみです！無理せずに頑張ってください。ワクワクしながら待っています！ (2020年4月1日 3時) (レス) id: d59bd8fff6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 紗さん» あたたかいお言葉ありがとうございます…！（ ; ; ）まだまだ未熟ですが、文章を褒めてくださると本当に嬉しいです！続編も頑張ります！ (2020年2月4日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - 第一章おつかれさまでした！！表現の仕方とか素敵でとても好きです！更新ゆっくりでいいので、楽しみに待ってます！ (2020年2月1日 18時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 氷屋さん» コメントありがとうございます！ほんとに些細な描写が繋がっていったりするので、気がついてもらえるととても嬉しいです(^^) これからも不器用なローさんを描いていこうと思います！頑張ります！ (2020年1月22日 22時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月28日 18時
