12-優しさじゃない ページ12
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いくら悩んでも答えの出ない疑問は嫌いだ。
正解が見つからないということは、つまり頭にこびりついた黒いモヤモヤの塊が消えてくれないということ。
ストレスが、溜まる。
あんな、何も考えてなさそうな女なんかに振り回されているザマ。
ああ、でも、アイツは次の島に着いたら降りるんだっけか。だったらすぐにいなくなる奴の素性を知りたいなんて欲求は必要ない。
ふと海に視線を移す。
自分の存在を主張するかのように煌びやかに輝く太陽の光を反射して、海面は眩しいくらいに白い光を放っている。
思わず目を細める。すると、遠くにポツンと船が浮かんでいるのが見えた。
海軍だったらまた潜水するか応戦して逃げ切る。
漁船やその他一般の船だったら無視。
そして、
「敵船だー！！」
双眼鏡を使って辺りを見張っていたクルーがそう叫ぶ。その叫びに誘われて、すぐに他のクルーも続々と集まってくる。
……海賊船か。
図らずとも闘争心を刺激され、口角が上がる。
クルーが集まっている方に向かうと、「船長！」とまずペンギンが話しかけてきた。
「どうしますか！？」
「……少し様子を見る。何も無けりゃそれが一番。無駄な戦闘は避けるべきだ。……が、」
指示の途中で船が大きく揺れた。
「おぉっと！？」
「あいつら撃ってきやがった！！」
命中はしなかったが、相手は砲撃してきた。
これは開戦の合図。
「……船長、」
「好きに暴れろ、お前ら」
こっちから仕掛ける趣味はないが、売られた喧嘩は買うまでだ。
「うおおおっ！！」「久々の戦闘だ！」クルー達は戦いたくて仕方なかったと吠え出す。
さあ、どうオペしてやろうか。
「て、敵襲ですか！？トラファルガーさん……！」
少し遅れてAが甲板にやってきた。
横目で彼女を見て、手を下ろし舌打ちをする。
「A！てめェは中にいろ！」
「え、でも」
「この船に乗ってる以上はおれに従ってもらう」
「……わ、かりました、すみません」
Aがこちらを気にかけながら渋々戻って行ったのを見届けて、ベポが「ねえキャプテン」と問いかけてきた。
「キャプテンってなんだかんだで優しいよね」
優しさなんかじゃない。
「あいつが敵か味方かわからねェ以上、おれの能力を晒すような真似はしない。それだけだ」
まだアイツを信用したわけじゃない。
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ぱぅち(プロフ) - kiさん» わわ、ありがとうございます…！コメント頂けて本当に嬉しいです(^ ^)続編ではどんどん種明かしして参りますので…笑 続編でもよろしくお願い致します…（ ; ; ） (2020年4月5日 11時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ki(プロフ) - とても良くて思わず、初めて感想を書いてみようと思うほどでした。最後のシーンに驚きすぎて続編が楽しみです！無理せずに頑張ってください。ワクワクしながら待っています！ (2020年4月1日 3時) (レス) id: d59bd8fff6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 紗さん» あたたかいお言葉ありがとうございます…！（ ; ; ）まだまだ未熟ですが、文章を褒めてくださると本当に嬉しいです！続編も頑張ります！ (2020年2月4日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - 第一章おつかれさまでした！！表現の仕方とか素敵でとても好きです！更新ゆっくりでいいので、楽しみに待ってます！ (2020年2月1日 18時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 氷屋さん» コメントありがとうございます！ほんとに些細な描写が繋がっていったりするので、気がついてもらえるととても嬉しいです(^^) これからも不器用なローさんを描いていこうと思います！頑張ります！ (2020年1月22日 22時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月28日 18時
