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46-決意の理由は ページ46

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Aはおれの誘いに頷かなかった。

首を横に振った。

故郷に帰る、と出会った時から揺るがない強い意志を見せた。


……そっか、そうだよな。


決して自分の意志を曲げない奴だったから、おれは惹かれたのだ。ここで頷くようだったら、折角芽生えた熱が瞬時に冷めたに違いない。

頷いて欲しかったとは思う。

だが、断ってくれたことで改めて、惚れた女の良さを痛感できた。




それからAの部屋を出て、自分の部屋に戻った。

ベットに横になるも寝られるはずなんてなく。隣の部屋から微かに物音が聞こえたから、きっと指示通り荷物をまとめているのだろう。その音をBGMに、眠りに落ちることなくただ目を瞑っていた。

島に着くまでの時間を少しでも長く感じるように。
……たく、こんなのらしくねェがな。


島に着いたらAと別れる。
そしたらきっともう、会うことはない。

情けなくズキリと痛む胸には気づかないフリをした。









「島が見えた!」とクルーが騒ぎ出したのは、ベポが言っていた通りまだ日が登っていない早朝だった。

おれがあげた花柄の白いワンピースを着ているAを、クルー達がぎゃあぎゃあ泣きながら取り囲んでいる。





「うお〜!!Aッまたいつでも遊びにこいよー」

「おれ達仲間だからな〜」

「またいつか会おうな!!」





大の大人が泣きわめく異様な光景に、Aは引くことなく「皆さん、今までありがとうございました」といつもの笑顔を浮かべた。


以前は奇妙なほどAに懐いてる野郎どもに頭を抱えたものだが、今はまあ……こいつの魅力がわからないわけではない。だから前ほどは不思議に思わなくなった。



Aを取り囲む輪を、壁にもたれて遠くから眺めていると、不意に彼女と目が合った。「あ」と呟くような顔をし、人混みを掻き分けてこっちに向かってくる。





「トラファルガーさん。今までありがとうございました……!」

「お前からの礼は聞き飽きた」





フフッと笑うと白いワンピースの裾がひらりと揺れた。

相変わらず能天気な笑顔だな。


そう思っていたのも束の間、笑顔が徐々に曇っていって、ついには俯いてしまった。

どうしたのかと思っているうちに、Aの手がゆっくりとおれの袖に伸びて、弱々しく掴んだ。

ゆっくりと上げた顔は、どこか吹っ切れたようだった。





「……あ、あのっ……私の家まで一緒に来てくださいませんか……?」






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ぱぅち(プロフ) - kiさん» わわ、ありがとうございます…!コメント頂けて本当に嬉しいです(^ ^)続編ではどんどん種明かしして参りますので…笑 続編でもよろしくお願い致します…( ; ; ) (2020年4月5日 11時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ki(プロフ) - とても良くて思わず、初めて感想を書いてみようと思うほどでした。最後のシーンに驚きすぎて続編が楽しみです!無理せずに頑張ってください。ワクワクしながら待っています! (2020年4月1日 3時) (レス) id: d59bd8fff6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 紗さん» あたたかいお言葉ありがとうございます…!( ; ; )まだまだ未熟ですが、文章を褒めてくださると本当に嬉しいです!続編も頑張ります! (2020年2月4日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 第一章おつかれさまでした!!表現の仕方とか素敵でとても好きです!更新ゆっくりでいいので、楽しみに待ってます! (2020年2月1日 18時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 氷屋さん» コメントありがとうございます!ほんとに些細な描写が繋がっていったりするので、気がついてもらえるととても嬉しいです(^^) これからも不器用なローさんを描いていこうと思います!頑張ります! (2020年1月22日 22時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぅち | 作成日時:2019年9月28日 18時

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