23-おれの好きな ページ23
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海を渡っていく上で起きて欲しくない恐ろしいことの一つは、食糧が尽きることだ。
だからこそログポースを辿って島に着いた時は、無人島だろうと普通の島だろうと食糧調達を最優先に行う。
Aはきっとこのことを分かっている。
あの時自分にこんな大役が務まるのかと不安がっていたのは、そのせいだろう。
「トラファルガーさん！今夜は思い切りお肉食べちゃいましょう！」
そう言って歩きながら叫ぶAの瞳からは、もう迷いや陰りなんて消えていた。
流血してる箇所は痛まないはずないのに、ただただ目的を達成したという喜びに満ちていて。
声が出なかった。眩しすぎる笑顔から咄嗟に視線をそらす。
Aが戻ってきたら、嫌味の一つでも言ってやろうと思っていたのに。
……あの目を、見てしまったから。
おれの、好きな目を。
Aは船に乗り込んでくるなり、「聞いてくださいよ！あのサイは私が捕まえたというか…」と明らかにテンションが上がった様子で得意げに話し出す。
んなどうでもいい話に付き合うつもりは微塵も無く、奴の怪我してない方の腕を掴む。
トラファルガーさん？ときょとんとしている彼女を無視して「他に怪我した奴はいるか」と周りを見渡して問う。
「いえ！A以外無傷です！元気モリモリです！」
「そうか」
「え、皆さん強すぎません？」
「別に普通だろ」
たかが野生の動物に負けているようじゃあこの過酷な海は進んではいけない。が、一般人のA視点では異常に見えるのか。
クルー達に食糧の保管は頼み、Aを強引に引っ張って医務室に連れて行く。
椅子に座らせ、「傷見せろ」と言えば、Aは顔を青くして思い切り首を横に振った。
「い、いいです大丈夫です！これ以上ローさんに迷惑かけるわけには……！」
「迷惑ならもう十分かけられてる。今更遠慮したって遅いくらいだ」
「うっ……正論過ぎて何も言い返せません」
「だから早く見せろ」
渋々白い袖をまくって露わになる傷痕。
ツナギを真っ赤に染めてたもんだから結構深いのかと思ったが、想像よりは大丈夫そうだった。
引っかき傷というか、抉られた傷というか。
大方、サイの角でも掠ってしまったのだろう。
傷跡を消毒し、慣れた手つきで包帯を巻いていく。
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ぱぅち(プロフ) - kiさん» わわ、ありがとうございます…！コメント頂けて本当に嬉しいです(^ ^)続編ではどんどん種明かしして参りますので…笑 続編でもよろしくお願い致します…（ ; ; ） (2020年4月5日 11時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ki(プロフ) - とても良くて思わず、初めて感想を書いてみようと思うほどでした。最後のシーンに驚きすぎて続編が楽しみです！無理せずに頑張ってください。ワクワクしながら待っています！ (2020年4月1日 3時) (レス) id: d59bd8fff6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 紗さん» あたたかいお言葉ありがとうございます…！（ ; ; ）まだまだ未熟ですが、文章を褒めてくださると本当に嬉しいです！続編も頑張ります！ (2020年2月4日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - 第一章おつかれさまでした！！表現の仕方とか素敵でとても好きです！更新ゆっくりでいいので、楽しみに待ってます！ (2020年2月1日 18時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 氷屋さん» コメントありがとうございます！ほんとに些細な描写が繋がっていったりするので、気がついてもらえるととても嬉しいです(^^) これからも不器用なローさんを描いていこうと思います！頑張ります！ (2020年1月22日 22時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月28日 18時
