01-非日常 ページ1
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ログが溜まり、とある島から出航した。しかしここは
潜水するのは珍しいことでもないので、陽の光の当たらないこの空間でも、クルー達は思い思いに過ごす。おれも自室で誰にも邪魔されずに読書をしていた。
そんな、何気ない日常のはずだった。
「きゃ、キャプテーン!!大変!大変だ!!」
ベポのやけに低い叫び声が、潜水艦に轟くまでは。
なんだよ、と読書を妨げられたこともあり、少々不機嫌で声のした方へ向かった。ベポの叫びを聞きつけて、シャチとペンギンも先に駆けつけていた。
「一体なんの騒ぎだ」と声を掛ければ、三人は一斉に振り返る。口をあんぐりと開けて、愕然としているようだった。
この中で最年長のペンギンが「せ、船長…」とある方向を指差す。
その指の先を辿ってみれば。
「どうもー!いやあ、潜水艦って便利ですね!」
見知らぬ女がヘラヘラと笑って立っていた。
「……
考えるよりも先に手が動いていた。
すぐに
「何これ?」と女が青い半透明なサークルを不思議がっているうちに、「質問に答えろ」と先手を打つ。
「てめェは何者だ」
「あ!自己紹介がまだでしたね!私はAと申します」
「何故この船に乗ってる」
さらにそう質問を重ねていけば、Aとかいう女は初めて表情を崩した。
眉を下げて苦笑いし、それはですねー、と歯切れの悪い調子で続けた。
「私、観光でさっきの島に来てたんですが、帰りの船を逃してしまったんです。次に帰りの船が来るのは一ヶ月後だって言われて、そんなに滞在するお金もないし、途方に暮れてたんです。……が」
Aは先程とは一転、パアッと効果音がつきそうなくらい明るく笑った。
「そんな時でした!この海賊船を見つけたんです!海賊なら、ログを辿って航海するじゃないですか。私の故郷はさっきの島からログを辿って3つ目にあるんです。
______なので、故郷に着くまでの間、私をこの船に置いてくださいませんか!」
一拍の沈黙の後。
2人と1匹の「ええええぇぇ!?」という叫びがこだました。
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ぱぅち(プロフ) - kiさん» わわ、ありがとうございます…!コメント頂けて本当に嬉しいです(^ ^)続編ではどんどん種明かしして参りますので…笑 続編でもよろしくお願い致します…( ; ; ) (2020年4月5日 11時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ki(プロフ) - とても良くて思わず、初めて感想を書いてみようと思うほどでした。最後のシーンに驚きすぎて続編が楽しみです!無理せずに頑張ってください。ワクワクしながら待っています! (2020年4月1日 3時) (レス) id: d59bd8fff6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 紗さん» あたたかいお言葉ありがとうございます…!( ; ; )まだまだ未熟ですが、文章を褒めてくださると本当に嬉しいです!続編も頑張ります! (2020年2月4日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - 第一章おつかれさまでした!!表現の仕方とか素敵でとても好きです!更新ゆっくりでいいので、楽しみに待ってます! (2020年2月1日 18時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 氷屋さん» コメントありがとうございます!ほんとに些細な描写が繋がっていったりするので、気がついてもらえるととても嬉しいです(^^) これからも不器用なローさんを描いていこうと思います!頑張ります! (2020年1月22日 22時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぅち | 作成日時:2019年9月28日 18時