06-嘘 ページ6
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悟くんが作ったオムライスをもぐもぐと夢中で頬張る。
「美味しい？」
「美味しい」
「A好きだよな、オムライス」
「うん、好き」
「僕のことは？」
「……嫌いじゃない」
「好き？」
「嫌いじゃない」
「…」
え。何でここで黙る？
ちょっと気まずくなってしまうんだけども。
悟くんが何も言わないから、咀嚼音だけが響く。
沈黙が続くのが落ち着かなくて、テレビでもつけようかとリモコンに手を伸ばしかければ、遮るように「僕は」と悟くんが口を開いた。
「好きだよ」
「……オムライスが？」
「違う。Aのことが」
「…」
今度は私が黙り込む番だった。
ごくんとオムライスを飲み込み、スプーンを置く。
私のはまだ半分ほど残っているけど、悟くんは既に完食していた。だからじっと見つめられて、視線の行き場が定まらなくて居心地が悪い。
悟くんは目元を赤くして「好きなんだ」ともう一度、念を押すように言った。
真剣な表情で言うものだから、素直にときめいてしまった。
…
今まで生きてきた中で1番信じてみたい言葉だった。
長年待ち焦がれた一言だった。
“好き”
このたった一言だけを、何年も何年も待ち続けて。
短い時間で色々な感情が体の中を駆け抜けた。
考えて考えて、私は
____結局、その一言を信じられなかった。
「……信じるよ。悟くんが、惚れ薬を飲んだってことは。正直ついさっきまで半信半疑だったけど」
だから、と目を伏せて続ける。
「……好きだって気持ちは、惚れ薬のせいなんでしょ？」
「！っ……A、それは、」
「大丈夫。わかってるから。何も言わないで」
すんなりと信じられるほど、私達は簡単な関係ではなかった。
耳を塞いで逃げ道を作る。
期待させるだけさせておいて、なかったことにされるのが1番辛い。
だったら期待なんかさせないで欲しい。
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ももか(プロフ) - 自分に引くほど、めっちゃニヤニヤしながら読んでました……最高すぎました！！これからも頑張ってください！！！！！！ (2021年2月21日 20時) (
レス) id: 962a75c0d9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - あおいさん» 文章褒められるとめちゃくちゃ嬉しいですー！（ ; ; ）こちらこそ、お読みくださり本当にありがとうございました！！ (2021年2月10日 17時) (レス) id: 4a1d1da0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 語彙力の塊すぎて…素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年2月8日 0時) (レス) id: c6e7ce5294 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» めっっちゃ面白かったなんて光栄です…(^^) 暖かいコメント嬉しいです！最後までお読みくださりありがとうございました！ (2021年2月3日 15時) (レス) id: 4a1d1da0e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 輪廻@サブ垢なのだー！さん» 完結後もお会いできて嬉しいですー！（ ; ; ）暖かいお言葉を貰えて本当に嬉しかったです…！今次の作品を考えているところです。最後までお読みくださりありがとうございました！ (2021年2月3日 15時) (レス) id: 4a1d1da0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2021年1月26日 17時
