07-待ち合わせ ページ7
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クルー達が散策からぞろぞろと帰ってきた頃には、もう既に夜になっていた。船番の役割を終え、ようやく私にも散策タイムが回ってきた。
ま、船長も一緒だけれど。
……荷物持ち、しなきゃだしね。
とりあえず外に出ようと自室から続く廊下を歩いていると白熊のベポに出くわした。
ベポは「あ、Aー」と大きく手を振って近づいてきた。モフモフは人類の癒しだ。
「ベポ。散策楽しかった？」
「うん！かき氷食べてきたんだ」
「よかったねぇ、かき氷好きだもんね」
「Aはこれからお出掛け？」
「そうだよ。船長と…」
「キャプテンとデート！？」
「ちょっ……」
私が敢えて避けてきたその単語を、ベポは私の葛藤も知らずに簡単に言い放った。
デート、なんかじゃない。
あくまでこれは部下としての付き添いだ。
慣れたい単語に目を輝かせるベポに「違うよ」と首を振って断言する。
「荷物持ち頼まれただけ」
「あ、そういうことか〜」
勝手に動揺してしまった私の負けだ。
じゃあ私行くね、と通り過ぎようとすれば、思い出したように呼び止められる。
「なんかこの辺、海兵がうろちょろしてるから気をつけて。着替えた方がいいかもね」
「……わかった。忠告ありがとう」
確かにこの白いつなぎは夜でも目立つしなあ。
一応私服に着替えておくか。
ベポの忠告通り、デニムを履いて、シャツに黒いパーカーを羽織り、胸元までファスナーを上げる。
極めつけにこの明るい金髪を隠すため紺色無地のキャップを被った。
色気も何もない、ラフな格好。
だって私は荷物持ちするだけだし……
今度こそ甲板に出れば、船長は愛用の刀を肩に掛け、船縁にもたれかかって待っていた。
私は小走りで向かう。
「船長、お待たせしてすみません」
「いや」
「あ、ベポに聞いたんですけど、この辺り海兵がいるみたいで、ちょっと変装してみました」
「……そうか」
「だが、」と船長は私の帽子を取る。
そして露わになった金色。更には一つに結っていたヘアゴムまで取られてしまい、セミロングの髪が靡く。
船長は私の髪をくるくると指に巻きつけて弄び始めた。
「お前の髪が見れなくなるのは嫌だな」
すうっと心が冷えていく。
胸の前で拳を握り「目立つじゃないですか」と抵抗するも、船長は帽子を返してくれなかった。
能力で私の部屋に戻してしまったのだ。
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涼野紫乃(プロフ) - 完結おめでとうございます！作者様のローオチの作品は他にも読ませていただいてますが毎回話の構成、終わり方が最高で泣かされてしまいます。新作も絶対読みます！これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2020年8月16日 8時) (
レス) id: 5f142ceaa5 (このIDを非表示/違反報告)
てい。(プロフ) - 完結ご苦労さまです！更新まだかなと楽しみに思えるほどこの小説が好きでした！1番が気になっています、気になりすぎて早く読みたいくらいですが…これからも頑張ってください！応援してます (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6af5281e1b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 皆様ご協力頂きありがとうございました…！一人一人にきちんとお返事したいところですが、有り難いことに多くの方にご意見をもらえて…泣 でもコメントや感想はすべて読ませていただきました！本当に温かいお言葉をもらえて嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2019年9月24日 17時) (レス) id: fbe06363c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぴろ(プロフ) - 完結お疲れ様です★遅くなりましたが、3番が読んでみたいです(*´∀｀) (2019年9月24日 11時) (レス) id: 5ce8d72b22 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 2.3どちらも捨てがたいです(ﾟ´ω｀ﾟ)！完結お疲れ様でした！ (2019年9月24日 1時) (レス) id: e1ea64eec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月8日 18時
