19-出会い(2) ページ19
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本人を目の前にして興味無いとか言う？
海賊はやっぱり常識がない。
私だって海賊はあまり好きじゃないし。
とは言え仕事中は笑顔を絶やさないのが鉄則。
また別のところから追加の注文を受け、それを理由に船長さん達の元から離れる。酒瓶を持って行ったり、料理を出したり、空になった皿を下げたり。
船長さんは店にいる間、ちっともこっちを見ようとしなかった。
けれど代わりにさっきのペンギン帽子さんとキャスケット帽さんが隙を見計らって明るく話しかけてくれた。
海賊じゃなかったら友達になれたのになあ、と残念になるほどにはその二人は友好的だった。
海賊達は散々飲み散らかすと、赤い顔をしながらフラフラと出て行った。
キャスケット帽さんはへらっと笑って「姉ちゃん、あんがとなー」とひらひら手を振り、ペンギン帽子さんは「ごちそうさま」と優しく笑って出て行った。
御礼を言われれば、悪い気はしない。
……まあ、一番最初に出て行った船長さんは、最後までガン無視だったけれど。
はは、と乾いた笑みが漏れる。
「Aちゃん、さっさと片付けちゃいましょう」と店主に呼ばれ、はーいと返事をしてすぐに片付けに励んだ。
すっかり夜になり、家に帰る。
決して広くはない、むしろ年季のこもっていてボロい家。
我が家を目にすると安心するのか、どっと今日1日の疲れが肩から覆い被さる。
「ただいまー」
「あら、おかえり」
「お母さん！？」
良い匂いがすると思ったら、母が台所に立っていた。私は慌てて駆け寄り、「なにしてるの寝てて！」と詰め寄る。
母は私の気も知らず、のんびりと微笑む。
「今日は気分が良いのよ」
「だめ！私がやるから」
「体を動かしていたいの。貴方はお風呂に入ってきちゃいなさい」
「でも…」
「仕事で疲れたでしょ？いつもありがとね」
不安は解消できなかったけど、母はあまりに頑なに譲らないので、言葉に甘えて風呂で汗を流した。
私の母は数年前から病気に苦しんでいる。
それも、結構難しい病のようで、治すには手術が必要らしい。
でも生憎この小さな島ではそんな手術をする医療技術はなく、手術を受けるなら他の島へ移らないといけない。
母の手術代のためにお金を貯めてはいるが、酒屋の仕事の給料だけでは足りないのだ。だから私はお金を手に入れるためにもう一つのことをしている。
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涼野紫乃(プロフ) - 完結おめでとうございます！作者様のローオチの作品は他にも読ませていただいてますが毎回話の構成、終わり方が最高で泣かされてしまいます。新作も絶対読みます！これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2020年8月16日 8時) (
レス) id: 5f142ceaa5 (このIDを非表示/違反報告)
てい。(プロフ) - 完結ご苦労さまです！更新まだかなと楽しみに思えるほどこの小説が好きでした！1番が気になっています、気になりすぎて早く読みたいくらいですが…これからも頑張ってください！応援してます (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6af5281e1b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 皆様ご協力頂きありがとうございました…！一人一人にきちんとお返事したいところですが、有り難いことに多くの方にご意見をもらえて…泣 でもコメントや感想はすべて読ませていただきました！本当に温かいお言葉をもらえて嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2019年9月24日 17時) (レス) id: fbe06363c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぴろ(プロフ) - 完結お疲れ様です★遅くなりましたが、3番が読んでみたいです(*´∀｀) (2019年9月24日 11時) (レス) id: 5ce8d72b22 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 2.3どちらも捨てがたいです(ﾟ´ω｀ﾟ)！完結お疲れ様でした！ (2019年9月24日 1時) (レス) id: e1ea64eec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月8日 18時
