《短編集》紫君子蘭 (ページ7)

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7つめページ7

知り合いの1個下の後輩の友達。

気づいた時には好きだった。

春から大学進学に伴って地元から離れる俺にはもう時間がない。

あと4日もしたらここから離れる。

最後にどうしても。どうしても伝えたかった。

「突然ごめん」

思い続けて1年半。

想いが募りすぎて何をどう話したらいいかわからない。

やっとの事で伝えた気持ちも、俺をひたすら見つめていた彼女を困らせてしまった。

待てど待てど返事はこない。

決まったら連絡くれよと渡した連絡先も彼女にとってはより一層困る事だったかもしれない。

多分俺はこの子じゃないとダメだと思っているから、どうにかして繋ぎ止めたい。

また会えるだろうか。

そもそも連絡さえくるかわからないのに「またな」なんてカッコつけて。

彼女の去っていく音が聞こえてやっと振り向いたけれど、彼女は一瞬しか見えなかった。

直接答えがほしかった。

言わないのは彼女の優しさだろうか。酷だ。

それにはそりゃあ多少のはっきりしない感じがある。

けれど想いを伝えたんだ。

これからだ。