不器用女VSシャイ男【You.Y】

Round1 ページ2

横山「ふぅ…」


仕事から帰宅した横山はポンと鞄を椅子に置く。

夏の暑い日の疲労感は半端じゃない。


ネクタイを緩めて第一、第二ボタンを開けると

冷蔵庫からビール缶を出してソファに深く腰かけた。

今日の晩御飯もコンビニの弁当で、ここのところ

立て続けだ。


こんなとき横山は、俺にも妻、奥さんがいればな。

と思う。


まぁ、特にアテはないけど。


ビールを一口飲むと目を閉じて再びため息をついた。


ふと、高校の後輩のことを思い出す。

屈託無く笑う子で、金髪不良のガラの悪い俺にも

話しかけてくれた、ただ1人の普通の生徒。


…いや、不良でないだけで普通ではなかった。


俺に惚れてたらしく、異常な愛情表現でアピールを

してきた。

例えば、毎日のように渡されるラブレター。

毎日のように告白されて、どんな所にも仔犬みたいに

楽しそうにくっついてきた。


横山「A……ホンマは俺も…」


けれど、不良と付き合ってるだなんて評判が悪い。

だから突っぱねていた。



あの子は元気にしてるんかな…?



何故、何年も前の恋の相手を思い出したのかは

わからない。

ずっと頭の片隅にはいたものの、ここまでハッキリ

思い出したのは何年ぶりだろう。


もしかしたら、なにか予感したのかもしれない。


ーピンポーン


横山「…チッ、…はーい?」


??「お久しぶりです‼」


彼女が現れることを。

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