日常に忍び寄る黒い影 ページ14
演練を終えた後に本丸へと帰ったがなんだかどっと疲れて迎えに来てくれた長谷部からは「布団は用意してあるので休んで下さい」とそのまま部屋へと導かれて大人しく潜り込めば、ぽかぽかのふかふかな感触に眠気がやってきてすぐに寝てしまった。
自分の本丸に行って普通の生活をする。
それが叶えられない夢であり叶えたい夢でもあった。
ここに来てもう1ヶ月くらいはたっただろう。自分が非現実の世界で生きていられるのが不思議だがやはり戻らなくてはならない。
正直いって戻りたくない。ここでふつーに生きていけるならばここにいたい。
でも、でも……自分はこの世界の人間じゃないから……
元の世界に戻らなくちゃなんだよね。
次に目を覚ました時、窓から覗く景色はオレンジ色で帰ってきた時はお昼ちょっと過ぎだったから夕方まで寝ていたということだ。
「ん………ふぁ…あ……そろそろ、夕ご飯、かなぁ……」
この時間まで寝かせていてくれてたならば誰かが迎えにきてくれるか自分から行くべきか寝起きの頭でぼんやりと考えながらぼーっとしていたら襖の方に人影が映り叩かれる音と声がした
「“主ー南泉一文字、にゃ。もうすぐ飯だから起きてるなら返事してくれにゃ”」
「南泉くんか。起きてますよー」
南泉「おっ。起きてたか。今日は炊き込みご飯だってよ、主好きだって言ってたよな?」
「炊き込みご飯!めっちゃ好き〜!いこいこ〜!」
2人が部屋を離れていきオレンジ色の夕暮れは少しずつ暗闇に変化していく。
その影に怪しい光が一瞬輝きぬるりと動き出す
影から浮き出た口元らしきものは妖しく口角をゆるりとあげて闇へと消えていった
石切丸「やぁ、主。君も一緒にお茶を飲んでいたんだね」
「どうもどうも。御神刀様、鶯丸様に誘われましてですね。菓子で釣ってきた数振りとお茶会を楽しんでおりますよ」
肥前「おれは菓子で釣られてねぇぞ。今日の近侍なんだからアンタの所に居なきゃなんねぇんだよ」
「まぁまぁ。そんな嫌な顔しないでよ。うぐが出してくれるお茶菓子結構高級品じゃないの。肥前の目が輝いてたの知ってたからね?」
肥前「チッ……んな所見てんじゃねぇよ。」
平野「肥前さん、お茶のおかわりは如何ですか?石切丸様どうぞ」
肥前「貰う」
石切丸「ああ。ありがとう平野。主、ここで過ごして君の体調などに変化はないかな?」
「うーん……あまり無いと言えば無いけど……なんかちょっと疲れやすい、かな?元気はあるんだけどぼーっとしちゃう感じ?」
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雪女 - 更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎) (8月3日 0時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
オト(プロフ) - 神威琉璃さん» わ、わぁ!!コメントしてくださった事今気付きました(汗)有難うございます!ちまちま更新ですが最後まで読んでくれたら嬉しいです (7月31日 1時) (レス) id: 9dd06cb5a0 (このIDを非表示/違反報告)
神威琉璃(プロフ) - 初めまして!とうらぶの小説が読みたくて探していた時にこのお話に出会いました。皆とのわちゃわちゃが愛おしすぎてこのまま本丸にいて欲しいくらいですが帰ってしまう時が来るんですよね。一人一人思い出を振り返る様なシーンが好きです。涙腺が…最後まで応援してます (6月12日 0時) (レス) @page36 id: 85bbca1f9f (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 凄い事になってる…… (5月17日 17時) (レス) @page32 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
オト(プロフ) - にゃーちゃんさん» 2人目のコメント!!ありがとうございます!!すみません…今まさに冬の連隊戦周回の為更新激遅になります…… (2022年12月23日 23時) (レス) id: aed5805aa2 (このIDを非表示/違反報告)
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