本丸観察日記 第2巻

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｢遠隔操作本丸……？｣

｢何となく聞いたことあるぞそれ。確か…色々と簡易化されてる中でもその多くは強豪揃いでどの本丸もめちゃくちゃ強いって｣

膝丸｢ああ。人がいなくて済むからな。刀剣を集めたくば資材と財力があれば可能だ。例え天下五剣であろうとも容易く手に入れられる。そして育成に関しても時間があればどんどんと強くなれるだろう。

あげれば色々と利点はあるが、どれも本人の意思が続かなければ意味が無い。我が本丸は主が始めた頃からずっとこつこつ毎日顔を出し、俺たちを出陣させ新たな仲間を増やしてきた。｣

髭切｢確かこの前数えてた時はんー…と97振いるってこんのすけが言ってたよね。1振りから始まってこんなに増えるなんてビックリだねえ。ふふっ、それだけ主は僕らに手間隙かけて育ててくれたことに感謝しているんだ｣

｢きゅ…97…！？う、嘘だろ！？そ、そんなに居るのか！？｣

一期｢ええ、そうです。素晴らしいでしょう？それも我が本丸は夏に3周年を迎えたばかり。あなた方がいつから始めたかは存じ上げませんが主は3年かけてこれだけの数を集め強くしてくれました。数が増えれば求められる経験値も多い。育成がまばらになるのは仕方の無いこと。催し物の種類によって編成を変えながらこの3年間時を過ごしてきました。

その中でも主は短刀に初期から力を注いでくださり弟たちを出陣させてくれました。彼女は短刀が後に主戦力になることを知っていたから。そこまで育てるのに大変苦労したかと思います。弟は弱く脆い。強敵に出会えば真っ先に倒される。いつだって傷だらけで帰って無傷なんて見た事がない。

最初に手に入れやすい刀だからこそ何度でも手に入るが脆さ故に使えないものだと認識されてしまう。だが、弟たちは自分が弱いことを知っています。その為に強くありたい。審神者に認めてもらう為に努力をし鍛錬を行う。

こんな…最初から強いと思われている私なんかよりもあの子たちはずっと苦しい思いをしてきてたくさんの悔しさや傷を負って…己の弱さに腹を立てたこともあったでしょう。いつだって主の為にと口を揃えて言うんです。



ですが、その想いの大半は伝わらない。


最初の敗北をみて、余裕のない資材。必ず傷を負って手入れをしなければならない現状。審神者の顔が曇るのも、短刀が弱いと決めつけてしまう証拠。


その顔を見て弟たちが“まだ頑張れる”と言えますか？言えませんよね？我らは従わざる得ない臣下。貴方がそのように判断してしまえば無駄なんだ｣

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