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一期「…秋田藤四郎。今のお前にとってこれから先も苦しく過酷な試練がやってくるだろう。それにどれだけ食らいついていけるか、何度も悔しい思いをするだろう。出陣をする度に誰かしらが重傷。傷をおわずに帰った日なんてなかった。あまりにも進まぬ現状に主も1度は辞めてしまったこともあった。
その時は弟は弱い。私なんて夜戦では役に立たない。1番戦力があるのは短刀だけ。あの子たちがやらねば我々は前に進めなかった。私は見ていることしかできなかった…だが、主も、弟たちも諦めなかった。強さを手に入れる為に彼らはたくさんの努力をしてきた。秋田藤四郎、そしてお前以外の兄弟もいるならば、この試練は必ずやお前の力となるよ」
「……僕、もっと戦に出たいです。今の僕は弱いです……そんな弱い僕のままなんて嫌です。もっと、もっと強くなりたい。主君にはご迷惑かけてしまいますが…主君の刀として強くなりたいです…!」
一期「…審神者殿。我が弟の想いを、この子の成長を見届けて頂けませんか」
兄の方を見ていた弟は後ろを振り返り、初めて自分の気持ちを審神者に伝え頭を下げる秋田の肩に手を置き、同じように頭を下げた姿に男は目を見開き視線を泳がせながら口を開く
「………秋田、藤四郎……ごめん……俺……お前たちのこと…」
「いいんです。いち兄のおかげで僕は自分の気持ちを伝えることが出来ました。主君、僕はもっと主君のために頑張りますからね」
「……っ、ああ……俺も、ちゃんと考えるようにするから」
「はいっ!えへへっ…いち兄有難うございます!いつか僕も貴女の秋田藤四郎のように強くなりますからねっ」
一期「私は何もしていないよ。その心意気で励むんだよ?」
「はい!いち兄っ」
「兄弟愛……尊い……ほんっとうに秋田くんっていい子だわ…これからの頑張りに向けて何かあげたくなる…!ねぇお兄様どう思う?」
一期「我が愛おしき弟に贈るものなど千両箱一択でしょう。こんなにも愛らしく可愛い弟が審神者の為にとここで宣言してくれたんです!はぁ…なんていい子…!我が子はいつでも頑張っててもう本当に…胸が痛い…!主。今すぐに用意致しましょう。貴女がよく言う貢ぎ物を捧げる時ですぞ!」
「おいおい、千両箱って…めっちゃいい案じゃん。よし、出すか」
鶴「おい待て本丸資金から出すつもりか?ウチの本丸が破産するぞ」
一期「必要経費ですが?たかが1箱与えるだけですよ。大阪城を掘りにいけばいいんです」
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雪女 - 更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎) (8月3日 0時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
オト(プロフ) - 神威琉璃さん» わ、わぁ!!コメントしてくださった事今気付きました(汗)有難うございます!ちまちま更新ですが最後まで読んでくれたら嬉しいです (7月31日 1時) (レス) id: 9dd06cb5a0 (このIDを非表示/違反報告)
神威琉璃(プロフ) - 初めまして!とうらぶの小説が読みたくて探していた時にこのお話に出会いました。皆とのわちゃわちゃが愛おしすぎてこのまま本丸にいて欲しいくらいですが帰ってしまう時が来るんですよね。一人一人思い出を振り返る様なシーンが好きです。涙腺が…最後まで応援してます (6月12日 0時) (レス) @page36 id: 85bbca1f9f (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 凄い事になってる…… (5月17日 17時) (レス) @page32 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
オト(プロフ) - にゃーちゃんさん» 2人目のコメント!!ありがとうございます!!すみません…今まさに冬の連隊戦周回の為更新激遅になります…… (2022年12月23日 23時) (レス) id: aed5805aa2 (このIDを非表示/違反報告)
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