このたくさんの思い出に感謝を届けましょう (ページ33)

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ちょっとした小話ページ33

ゲートが開き本丸に無事に帰還した後に普段ならば隊の怪我人はいないか確保出来た資材や戦果報告のまとめをしたりとのんびりと過ごすことが多いのだが、今日は誰しもが真っ先に向かう先＿＿＿＿＿

大広間の襖を勢いよく開けた先にあるのは、ここに在籍する刀剣男士とこんのすけ、そして時の政府の役人であろう男女の姿と中央に置かれたひとつの布団の上に眠る一人の女性

一期｢あ……あ、ああ………ある、じ……｣

ガシャン＿＿＿＿＿…………！！
本体が手からずり落ちて派手な音を鳴らすのも気にせずその場に崩れ落ちる。

包丁｢ま、またまたぁ…！冗談なんてよしてくれよぉっ！ほら、あれでしょ？主のいつものお昼寝ってやつじゃないの？ただ、寝てるだけじゃんかっ！もうっ、みんなしてビックリさせるなよなぁ｣

毛利｢包丁くん……主さまは……｣

包丁｢俺、知ってるんだぞっ！えいぷりるふーるはまだ先だって！そんな嘘ついたら主が隠し持ってるお菓子食べちゃうんだからな！｣

一期｢……包丁……やめなさい、お前も…わかって、いるだろう……｣

崩れた格好のまま擦り寄る長兄は壊れ物を扱う様にそっとその頬に触れるが氷のように冷たく皮膚は堅い。ああ、もうあなたの温もりは感じる事ができないんだ

一期｢あるじ……ある、じ……あなたの、最期を見届ける事が出来ず…申し訳ございません…ですが、我等第4部隊誰も怪我なく無事に帰還致しましたよ…｣

震える手から手袋を外しまだ柔らかい髪の毛を撫でれば指先に絡みするりと落ちていく。落ちていくのは髪の毛だけでなく透明な雫もぽたりと1つ染みを作れば、ぽたぽたと何度も同じ場所へ落ちていく

一期｢主……よく、がんばり、ましたね……願うならば、もう一度……“おかえり”と言って欲しかった……！｣

包丁｢お、れは……俺は……しんじ、ないっ……！だって、だっ……ぅわああぁぁんっっ！！あるじぃいい！嫌だよぉぉお｣

毛利｢うん……そう、だね……ぼく、も……しんじ、たく……っ、ぅうっ……！｣

兄が人前でボロボロと時々嗚咽を漏らしながら涙を流す姿に弟たちは釣れられて共に涙を流し兄の背中に抱き着きに行ったり、他の兄弟に慰められる

まんば｢主！！！！まだ、生きて……っ……！｣

はっち｢ああ………なん、てことだ……俺は……君の、最期を……！間に合わなかったならばっ……せめて顔を見させてくれ……｣

薬研｢ああ……たいしょ……安らかな顔つきだなぁ……誰と一緒に居れたんだい？｣