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暗く空気の廃れた部屋で独り厚い雲に覆われた薄暗い本丸の空とは違いここは昼間でも夜でも美しい景色が広がっていた。そこにあるのは笑顔が溢れる皆の顔、その中心に審神者がおり同様に楽しく笑っていた。
俺たちが住んでいた場所とは全く違う世界。人間によって変わる世界もあった。同士たちが幸せそうに笑うこの時間を共有させてくれるこの娘に心が救われた
僅かな時間でも、俺たちを想い、そして、大事にしてくれたこの娘に俺は感謝を届けよう
こんのすけ｢答えが決まったということでしょうか｣
政府からの提案されて3日後、再び集まった先で最も美しいとされ賞賛を受けた刀＿＿三日月宗近は口を開いた
みか『ああ、俺が代表として申す。俺たちは刀解を選ぶ』
こんのすけ｢…その選択肢で宜しいのですか｣
小狐丸『最初に出たのは刀解だった。そこから何度も話し合いをしたが変わらず、我らはそれを選ぶ』
こんのすけ｢かしこまりました。では、手続きをしてまいります｣
ぽんっと小さな音を立てて消えた後静かになる大広間
耐えきれなくなった想いがぎゅっと巫女服を握り締めて震え出す
みか『……すまない。お主がそのような顔をしないでくれ。俺たちはお主に感謝を申したい。あのままではいずれ心は壊れ手を下していた。堕ちる前に手を差し伸べたお主に俺は心を救われた。刀を振り上げて悪かったな。そなたを傷つけずに済んで良かった。審神者よ…有難う』
｢みか……づき……｣
小狐丸『貴方様の元には既に我らは居た。保護をすると言われ連れてこられたが、何を言っておるのだと警戒をしておりました。異物の存在など気にかける必要などないと、だが…貴方様も刀剣らもまるでそこに居たかのように普通に接してくださった。
警戒をしていた私の方が馬鹿らしく思える程、普通だった。そんな扱いがとても嬉しゅうございました。
審神者様。私の髪を整えて下さったあの一時は幸せでございました』
｢こぎつねの髪はね…ふわっふわが好きなの。お日様の匂いいっぱいでね。すごく……気持ちいんだよ｣
小狐丸『はい。嬉しかったですよ』
うちの小狐が手入れするのを好むようにふわふわと風に揺れる銀色の髪の毛を見たり触れるのが大好きだった。
鶯丸『…俺は君と縁側で茶を飲むのが好きだったなぁ。暖かい陽気に包まれ遠くの方では笑い声が聴こえる。こんなゆったりとした時間の中での会話は楽しかったぞ』
｢……また一緒に飲もうよ。平野やひげたちとさ…のんびりしすぎて長谷部に怒られたりしてさ…｣
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