審神者の命をかけて立ち上がる ページ12
ごこ｢ぼ、ぼくも…負けたくありませんっ｣
厚｢オレたちだって大将の刀、こんなとこで負けねぇよ！｣
一期｢お前たち……｣
小さな背中であろうともこの刀は立派な戦士。主君を守護する固い意思を持つ者たちの道は閉ざしてはならない。これは弟たちの意志を信じよう
一期｢…分かったよ。ただし、けして無理はしないように｣
｢｢｢はいっ！！！｣｣｣
再び一歩を踏み出そうとしたその時＿＿＿＿
｢これ以上私の刀剣たちを傷付けるのはやめてくれ！｣
お供｢主殿！？どうして姿を現したのですか！｣
｢私の刀、燭台切光忠を返していただきたい。お前たちが首を捕りたいのは審神者だろう？｣
三日月｢思音…なぜ知っている｣
｢浦島が教えてくれた。でもこの子を責めないであげて？私が終わらせてあげる｣
しっかりとした足取りで目指す先は黒いオーラを放つ彼の元
『ｻﾆﾜ……ｵﾏｴｶﾞｺｲﾂﾉｱﾙｼﾞ……』
｢へえ、話せるんだ。なら大太刀よ。敵の的は私にしてくれないかいつでも首を狙えばいい。私は何も持っていない。少しだけ光忠と話をさせてくれ｣
『ｵﾏｴﾆﾅﾆｶﾞﾃﾞｷﾙﾄｲｳﾉﾀﾞ。ｲﾉﾁｶﾞｵｼｸﾅｲﾉｶ』
｢命張ってなきゃ審神者なんてやってらんないよ。主の使命として彼を元に戻す｣
『……ﾎｳ、ﾔｯﾃﾐﾙｶﾞｲｲ』
｢ああ。どうも｣
三日月｢……思音｣
｢手は出すなよ。三日月｣
三日月｢…あい、わかった｣
すれ違う際に声を掛けられるが念を押して横を通り抜ける。改めて光忠の姿を観察すると黒い髪の毛から覗く瞳は赤く染まっており時折静かに呼吸を吐きながらこちらを見つめている
｢光忠、おかえり。急にいなくなっちゃったからびっくりしちゃった。色々と心配したんだよ？…もう帰ってこないのかと。そんな寂しいお別れは嫌だなって…でも、ちゃんと帰ってきてくれた。それだけでも嬉しいよ。
光忠。今、ここでハッキリとさせようか。私が余計な事を言ってしまったから貴方を惑わせてしまった。優しい貴方に甘えていっぱい迷惑かけて本当にどうしようも無い主に呆れることが沢山あったはずなのにね。
それでいて貴方が抱える想いにも気付かずに指揮官として最低だよね。
光忠、ごめんなさい。馬鹿な私を許してなんて言わない。そこまで苦しめた私が全部責任取るから。大丈夫、貴方は悪くないよ｣
三日月｢主…？っ、お主…もしや…！燭台切に…斬らせるつもりか！｣
鶴丸｢やめろ…！主が死ぬ必要なんてない！光坊は俺たちが何とかする！主！そこからどいてくれっ｣
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