6つのあるばむ そのよん

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目覚ましがピコピコと機械音を気高く鳴らす

こんにちは、今日

あなたに会ってしまったから、もうあと1日しかここにいられないなあ


気温も過ごしやすくて、気持ちがいい天気とお姉さんは言っていたけどちょっと好きになれない

でも、ひろしくんとお出かけできるから

今日もきっといい日だろうなあ





簡単に身支度を整えて

階段をスリッパの音が大きくならないように降りる

大きくて開放的なこのお家とももうサヨナラだなあ

やっと慣れてきたのになあ






朝ごはんの準備をしていると

かわいい寝癖のよしくんがやってきた





井「ふわあ〜…よく寝た！今日もいい日！」

「ふふっよしくんあまり寝られなかったんですか？」

井「よく寝たって言ってるでしょお？」

「あ、そうでした、そんなによく寝れたんですね」

井「そうなの、実はさ……」






トトトトッと効果音がなりそうな駆け寄り方で

秘密を告白するように、昨日寝付きが悪かったことを教えてくれた



かわいいのに、こうして近づくと背が高くて目線を下ろしながら話すから胸がきゅんとするのだ

いや、きゅんなんてもんじゃない

お話の内容も加味して、ぎゅんぎゅんだ




ネガティブなことがあってもポジティブに変換する能力が高くて尊敬してしまう

そばにいてくれるだけで誰かを幸せにする才能があるってことだ





井「ねえ今日なぁのくんとお出かけするんでしょ？」

「聞こえてました？」

井「聞こえてるよお、俺もお出かけしたい…」

「でも今日…」

井「分かってるよ！国民が待ってるからな！」

「はい。私も待ってます」

井「Aは待たなくても会えてます〜」





パクパクと朝ごはんを口いっぱいにいれて

もそもそとくだらない話を聞かせてくれる


力の抜けた笑い方をするから多分ずるいんだと思う

うん。そうだと思う。

こんなにも鼓動が早くなって、心臓に何かあったらどうしてくれるんだ







井「Aー」

「どうしましたー？」

井「寂しくなってきたよ」

「え？」

井「俺寂しくなってきた」

「お仕事で仲間はずれだから？」

井「違うよ、もうすぐここ出ちゃうでしょ？」

「あ…。それは私だって」






ご飯を食べ終えて"ごちそうさまでした"をして

箸をテーブルに置いてしゃんと立ち上がった

寂しいです。と宣告しておいて

大きな腕を広げるのはもう反則だと私は思うのです







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