6つのあるばむ そのさん

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よしくんが家をでてから

こっそり部屋を出て5人分の朝食を作る



食べてくれるのか分からないけど





また部屋に戻ってカーテンを開ける

眩しくて泣きそうになる

涙腺が弱ってるんだ





携帯が鳴る

画面を見ると健くんから





三『ちょっとお姉さん、ご飯が冷たいんですけど？』

「…す、すみません…」

三『ま、いいんだけどさ、それから森田の機嫌も悪いわけよ』

「どうかしたんですか？」

三『いつもいる癒し系の方がいないんだよ』

「…博くん？」

三『あなたでしょーが、』

「え？私！？」

三『おいしいコーヒーもいれてくれないし？』

「ごめんなさい…」

三『ワタクシ三宅健も機嫌悪いんですよ』

「………、」

三『ちょっとお、黙らないでくれる？』

「すすみませんっ」

三『なんで機嫌悪いか聞いてくれないの？』









怒ってるような声にも聞こえるし

甘えてるような声にも聞こえるから

どんな調子で話したらいいか分からなくなる



どうしたんですか？

って聞いたら

少し黙ってから"Aがいないから寂しいよ"って言う

胸の奥がキュンとなって苦しい

なんなんですか！この感じ！！

ずーんと落ち込んでた気持ちが少し軽くなる









三『どう？この健さんのご機嫌とりに部屋から出てこない？』

「……健くん、」

三『いいんだけさ！岡田も相当きてるだろうし』

「え、？」

三『出てこなくて1番辛いのは岡田でしょ』

「………、ごめん、なさい」

三『謝らなくていいよ、もう少し素直になっても誰も責めたりしないよってだけ』









子供みたいに甘えた声をしたり

さとすみたいな大人な声になったり

やっぱり健くんとの電話は難しい



とすん、と健くんの言葉が胸に落ちてきて

じんわり包み込む

大丈夫だよって言ってくれるみたいで

また涙腺が弱くなりそう








"あ！やばい仕事行かなきゃ、またね！"

って声がして電話が終了する


ありがとうございます、ごめんなさい。


って伝わらない電話に伝える









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