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卿と対面して数日。
私はクィレル先生が通るであろう廊下に立っている。
深夜、絵画ですら寝静まっている廊下はとても静かで、暗い。
今年度も終わりが目の前に迫っている今日、ハリーが初の殺人を犯すのだ。
彼に明確な意思はなくとも、クィリナス・クィレルを殺した。という事実は変わらない。
クィ「…貴様、ここで何をしている」
貴女「あら、先生こそここで何を？」
遠くにある大きな時計が１２時を指したころ、ついにクィレル先生がここを通った。
最初から彼自身の口調ということは、やはり決行は今日なのだろう。
クィ「生徒がうろついていい時間ではない筈だが？」
貴女「残念ながら、私は本来５０代後半の婆です。貴方の様な若造に言われる筋合いありません」
ダンブルドアと私しか知らない事実を口にすると、先生は信じていない様子で顔をしかめた。
クィ「冗談はよせ。なぜ今ここにいる」
貴女「…貴方に、最後のお別れをするためです」
クィ「どう言うことだ」
貴女「私たちはもう二度と会うことはありません。貴方は今日英雄によって殺されます」
彼はもう直ぐ死ぬ。
ならば、彼の数時間先の未来を教えたとて問題はないだろう。
きっとそろそろハリーたちが動き出す。
ハリーとあの部屋で出会い、触れられた瞬間から、クィリナス・クィレルの崩壊が始まる。
クィ「何を…馬鹿げたことを…」
貴女「あら、信じてくださらないのですか？」
クィ「ならば貴様は明日自身が死ぬと告げられてそれを信じるのか？」
貴女「さぁ、どうでしょう…人にもよりますよ。それを口にしたのが貴方に寄生している卿ならば…信じるのでしょうけど」
彼はその顔に嘲笑を浮かべながら私の言葉を聞いていた。
そして、私の言葉が止まると、鼻で笑いながら歩き出す。
クィ「残念ながら、我が君がいる限り俺は死なない」
それだけを言い残し、彼はこの場から離れようとした。
そんな彼の名を、一度だけ呼ぶ。
貴女「Ｍｒ，クィレル」
すると彼は邪魔するな。とでも言いたそうな顔でこちらを向いた。
貴女「私は、貴方が好きですよ。卿にその身を捧げた忠実な下僕ですもの」
クィ「貴様の言葉は何処か確信を持っているかのように力強い」
最後、そう言いながら、今度こそ彼はあの部屋へと向かった。
きっとこれが、私と彼との最後の会話なのだろう。
貴女「せいぜい奮闘なさってください」
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匿名希望 - 姿現しでは？ 普通に姿『消し』の反対は姿『現し』だと思うのですが…… (2015年1月13日 19時) (
レス) id: d3e937bb77 (このIDを非表示/違反報告)
蛍光灯(プロフ) - 黒の人さん» 黒の人様、ありがとうございます。なお、秘密の部屋は本章がかなり長引いてしまったため、続きは続編記事での連載となりました。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 (2014年9月10日 17時) (レス) id: e6968aead3 (このIDを非表示/違反報告)
黒の人 - 秘密の部屋続き待ってます (2014年9月10日 17時) (レス) id: d9b5d79721 (このIDを非表示/違反報告)
蛍光灯(プロフ) - 黒の人さん» 黒の人様、いつもありがとうございます。ただいま日記リドルと主人公をどう対面させようか検討中ですので、もしかすれば近いうちに会話が実現するかもしれません。気長にお待ちください。 (2014年9月6日 23時) (レス) id: cde8c169d6 (このIDを非表示/違反報告)
黒の人 - ヴォルデモートと主人公の会話が気になってきます。続き見たいです。 (2014年9月6日 20時) (レス) id: d9b5d79721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛍光灯 | 作成日時：2014年3月8日 17時
